イギリスとEU(欧州連合)の自由貿易協定(FTA)交渉が難航し、年内の移行期間内に合意に達することができないとの懸念から、昨日のポンド・ドルは1.2941ドルまで売られ、1カ月半ぶりの安値をつけた。

しかし、1月の英建設業購買担当者景気指数(PMI)が、48.4と市場予想の46.6を上回ったことから買い戻しが入った。

NY時間になると、NYダウが一時500ドル以上値上がりするなどリスクオンの流れになり、米国10年債利回りも1.6%まで上昇。ドル円は109.50円近辺まで円安・ドル高が進み、ポンド円も円安の流れから142.85円まで円安・ポンド高が進んだ。

新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、中国では2万400人以上の感染が確認され、死者は425人になった。中国本土以外では、フィリピンと香港で計2人が死亡。感染者は20カ国以上で確認され、その数は200人近くに上っている。今後も警戒は必要だが、マーケットはいったん落ち着きを取り戻している。

本日の経済指標では、18時半のサービス業購買担当者景気指数(PMI)に注目(予想52.9)。サービス業の購買担当者の景況感を測定する指標で、50を超える測定値ならサービス業の景況感の拡大を示す。予想より高い数値はポンドにとって買い材料になるが、予想より低い数値はポンドの売り材料になる。

ポンド円のテクニカル分析と相場見通し

今日のポンド円予想レンジ 141~143円

まず、ポンド・ドルのチャートを確認していこう。

ポンド・ドルは100日移動平均線が下値支持線になりそうだが、反発力は鈍い。本日は1.3ドル前後のもみあいになりそうだ。続いて、ポンド円のチャートは以下の通り。

ポンド円も100日移動平均線が支持線になりそうだが、上値も20日移動平均線(142.94円)や、一目均衡表の転換線(142.67円)や基準線(142.73円)が意識され、大きくは動きづらいだろう。