昨日のポンドは大幅に下落。ポンド・ドルは1.3を割れ、ポンド円も141.07円まで下落した。1月31日にイギリスのEU離脱が決定したが、イギリスとEU(欧州連合)のFTA(自由貿易協定)の交渉が難航し、合意がないまま12月末の移行期間切れを迎えるとの懸念が広がった。

FTAを締結できず、移行期間も延長できなかった場合、イギリスは秩序のない離脱に直面することになる。両地域間の2018年の貿易額は8,500億ドル(約92兆2,600億円)で、イギリスの総貿易額の約半分に相当する。

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大懸念から米国10年債利回りが低下し、ポンド・ドルが買われていたことへの巻き返しも起こったようだ。米国10年債利回りは1.5%台半ばと、いったん反発局面に入っているが、新型コロナウイルスによる肺炎の死者は3日に361人となり、2003年に流行したSARS(重症呼吸器症候群)による中国の死者349人を上回っている。今後も警戒が必要だ。

ポンド円のテクニカル分析と相場見通し

今日のポンド円予想レンジ 140~142円

ポンド・ドルのチャートは以下の通り。

一目均衡表の雲の上限を抜け、トレンド転換したかに見えたが、1日で否定された。1月14日の安値1.2952を下回ると、100日移動平均線(1.2885)がターゲットになるだろう。

続いて、ポンド円のチャートは以下の通り。

ポンド円は雲を上抜けることができず、下降トレンド継続。1月6日の安値140.84円を下回ると、100日移動平均線の140.15円が下値のメドになるだろう。