米証券取引委員会(SEC)のトップであるゲイリー・ゲンスラー委員長は、2023年証券執行フォーラムでスピーチを行い、仮想通貨について、そのほとんどが「証券」に該当し、証券法の規制にあるべきだと改めて主張した。
SECの執行行動の経済的視点について話す中で、ゲンスラー氏は、SECが2023年に780件以上の取締りを行ったと報告した。これらの取締りにより、50億ドルの判決と命令が下され、そのうち9億3000万ドルが被害を受けた投資家に分配されたという。
ゲンスラー氏はまた、SECが2021年12月以降、さまざまなルールと規制の違反で40の企業に対して訴訟を起こし、それにより15億ドル以上の罰金が科されたことも明らかにした。ゲンスラー氏は、SECが昨年度だけで23の企業と和解したことにも触れた。
スピーチの中で、ゲンスラー氏は仮想通貨に対する過去の立場を再確認し、仮想通貨市場の大部分が証券の範囲に該当し、したがって同じ法律の下で規制されるべきだと主張した。
ゲンスラー氏は「投資契約」の概念を説明し、仮想通貨市場の大部分がそれに類似していると指摘。ゲンスラー氏によれば、ほとんどの仮想通貨は投資契約のテストを通過し、証券規制の対象となる。
「どの資産についても先入観を持たずに言えば、暗号資産の大部分はおそらく投資契約のテストを満たし、証券法の対象となるだろう」
ゲンスラー氏は、現在の仮想通貨エコシステムと1920年代の証券法がまだ存在しなかった時代とを比較し、仮想通貨エコシステムが同様の状況に苦しんでいると語った。
明確な規制が施行される前の証券業界と同じように、仮想通貨業界では詐欺や破産が相次いでいると指摘し、これらの問題がより厳格な規制を必要だと強調した。
ゲンスラー氏の仮想通貨市場に対する見解は新しいものではなく、彼はこれまでにも何度も同様の主張を繰り返してきた。しかし、米国内で事業を展開する主要な企業や仮想通貨支持派の議員などの仮想通貨コミュニティは、ゲンスラー氏に対して仮想通貨規制についてより明確な説明を求めている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン