米国の議員が、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長の年俸を1ドルに削減する法案を提出した。

この法案は、金融サービスと一般政府(FSGG)委員会が法案の修正案として提出した。提出者のティム・バーチェット下院議員は、SECの予算削減の一環として、ゲンスラー委員長の年俸を1ドルに引き下げることを提案した。

法案は、今年7月13日に初めて提出されたもので、政府全体の支出を大幅に削減することを目的とした幅広い立法。

Burchett’s proposed amendment to the FSGG bill. Source: House Committee on Appropriations

ゲンスラー委員長の年俸は、年間300,000ドル以上と推定されている。

バーチェット議員以外にもSECを標的とする議員はいる。

11月6日、下院ルール委員会で法案を紹介したスティーブ・ウォマック下院議員は、SECを含む多くの機関が規制の行き過ぎに陥り、政府の不当な財政負担となっていると述べた。

ウォマック議員は、SECの予算を削減することが、規制への「でしゃばり」を抑制し、規制当局が本来の使命に立ち返るのに役立つ最善の策であると強調した。

「具体的には、証券取引委員会による、適切なコスト・ベネフィット分析と総合的な影響分析に基づいていない規制の策定を停止することになるだろう。」

「機関は重要な機能を果たしているが、多くは使命から逸脱しており、その結果はアメリカ国民にとって不利益となっている」とウォマック議員は述べた。

ゲンスラー氏とSECは度々米国の政治家から批判を受けている。

6月12日、米国の下院議員ウォーレン・デイヴィッドソン氏とトム・エマー氏は、SECの安定化法案を下院に提出した。この法案の主な規定の1つは、ゲンスラー氏をSEC委員長から解任することだ。

この法案が可決された場合、ゲンスラー氏は解雇され、委員長と委員会間の権限が再分配される。また、執行役員の地位が創設され、6人目の委員が追加されるため、いずれの政党も過半数を占めることができなくなる。

デイヴィッドソン氏とエマー氏は、ゲンスラー氏率いるSECを長年批判しており、エマー氏はゲンスラー氏を「悪意のある規制当局」と非難し、ゲンスラー氏が「仮想通貨コミュニティに盲目的に執行措置を講じながら、真の悪人を完全に見逃している」と非難している。