福岡で開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議は9日に共同声明を出し、仮想通貨に対する総合的な評価とグローバル金融システムの安定に対する脅威に対する見解を前回と同じ表現に据え置いた。一方、マネロン規制で金融活動作業部会(FATF)に対して期待する内容を明らかにしたほか、金融システムに対する影響に関する金融安定理事会(FSB)の調査進捗を歓迎した。
以下が、共同声明「Communique」における仮想通貨(暗号資産)の関連条項の抜粋だ。文字数は前回のほぼ2倍以上となっている。
暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定に脅威をもたらしていないが、我々は、消費者及び投資家保護、マネーロンダリング及びテロ資金供与への対策に関するものを含め、リスクに引き続き警戒を続ける。
我々は、マネーロンダリング及びテロ資金供与への対策のため、最近改訂された、仮想資産や関連業者に対する金融活動作業部会(FATF)基準を適用するというコミットメントを再確認する。我々は、FATFが今月の会合にて、解釈ノート及びガイダンスを採択することを期待する。
我々は、消費者及び投資家保護や市場の健全性に関し、暗号資産取引プラットフォームについてのIOSCOの報告書を歓迎する。我々は、FSBの暗号資産当局者台帳や、暗号資産における現在の取り組み、規制アプローチ、及び潜在的なギャップに関する報告書を歓迎する。我々は、FSBと基準設定主体に対して、リスクを監視し、必要に応じ追加的な多国間での対応にかかる作業を検討することを要請する。
我々はまた、分散型金融技術、それが金融安定性や規制、ガバナンスにもたらす潜在的な影響、及び当局が広範なステークホルダーとの対話をどのように強化できるかについてのFSBの報告書を歓迎する。我々は、サイバーの強靭性を高める努力を強化し続けるとともに、サイバー攻撃への対応や普及のための効果的な取り組みを明らかにするFSBのイニシアティブの進捗を歓迎する。
詳しくはこちらの解説記事をご覧いただきたい。
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