残り19年の刑期を抱えるサム・バンクマン=フリード氏(通称SBF)の弁護団は、控訴裁判所で判決または刑を覆すべき理由を主張する予定だ。
米第2巡回控訴裁判所は4日、SBFの弁護団による口頭弁論を聴取する。控訴の詳細は公表時点で明らかになっていないが、2024年9月に提出された最初の控訴申立書では、「バンクマン=フリード氏は無罪の推定を受けなかった」と主張し、FTXの支払い能力に関する情報を法廷で提示することを許されなかったと訴えている。
「初日から、FTXを引き継いだ弁護士たちが作り上げた物語が米検察によって採用され、バンクマン=フリード氏が顧客資金数十億ドルを横領し、FTXを破綻させ、莫大な損失を与えたと決めつけられた」と2024年9月の控訴書は述べている。「だが2年近く経った今、全く異なる事実が浮かび上がっている。FTXはそもそも破綻しておらず、顧客に返済可能な数十億ドル規模の資産を有していた。にもかかわらず、陪審はその証拠を見る機会を与えられなかったのだ」。
FTXが2022年11月に崩壊した後、米当局はSBF氏をバハマから送還し、資金洗浄や詐欺などの罪で起訴した。2023年11月に陪審は7件の重罪で有罪評決を下し、2024年3月に裁判官が25年の懲役刑を言い渡した。
この事件は、SBF氏が政治家らに多額の資金を寄付していたことから、仮想通貨業界のみならず政界からも注目を集めた。控訴裁判所は、バンクマン=フリード氏に新たな裁判を認めるか、または有罪判決を維持するかをニューヨークで判断する。
大統領恩赦の可能性も?
有罪判決と量刑言い渡し後、SBF氏は共和党や保守系政治家との関係を強めようとする動きを見せ、ドナルド・トランプ米大統領の関心を引こうとしているとみられている。
トランプ大統領は、自身や家族と関係を持つ仮想通貨関係者に対して、恩赦や減刑を検討する姿勢を示している。2024年1月には、リバタリアン層への支持を狙い、終身刑を受けていたシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏に恩赦を与えたとされる。
さらに最近では、バイナンス前CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏に恩赦を与えた。CZ氏は2024年に銀行秘密法違反で有罪を認め、4カ月の刑期を終えたばかりだった。この動きを受け、SBF氏にも恩赦が及ぶのではないかとの憶測が広がったが、5日時点でホワイトハウスから正式な発表は出ていない。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】