金融庁は24日、仮想通貨交換業の登録審査についてプロセスの概要や質問項目、論点について発表した。審査プロセスの効率化や迅速化、透明化につなげる狙いだ。既にこのプロセスに基づき申請を進めている業者は50社ほどいるという。
金融庁は今年8月、仮想通貨交換業者やみなし業者への立ち入り検査・モニタリングで把握した問題点をまとめた「中間とりまとめ」を公表。その中で「深度ある実質的な審査を行う必要がある」との考え方を示していた。今回公表した資料は、この考え方を具体的に提示した形だ。
業者の登録審査プロセスにおいて、事前にどのような部分が論点になるのかを事業者側に把握してもらい、審査の透明化や迅速化につなげたいとしている。
(引用元:金融庁)
質問項目は83ページ、400項目以上と多岐にわたるが、重要な点については「仮想通貨交換業者の登録審査における主な論点等」にまとめられている。いずれもこれまでのモニタリングの中で問題が発見された箇所に焦点をあてた。
例えば、気になるセキュリティに関する項目(36ページ〜)。1月のコインチェックや9月のZaifハッキング事件を受け、サイバーセキュリティーやシステム障害に関連する「システムリスク管理」についても、多項目にわたる論点が並んでいる。システムリスクに対する体制や社内規則整備、どのようなリスクシナリオを想定しているのか、ウォレットの管理運用状況などが審査項目に上がっている。
また金融庁は「ビジネスモデル」(8ページから)の部分についても特に重視している点だと話した。「ビジネスプランの面がしっかり説明できなければ、どのような内部管理態勢やシステムリスク管理が必要なのかもはっきりしない」と説明した。
現在の審査状況
現在は約160社が登録審査を待っている状態だ。金融庁によれば、この中で実際に登録申請に必要な書類のドラフト作成など具体的に金融庁とやりとりを進めているのは約50社。電話などで問い合わせを行った段階の業者は110社程度だという。50社の中には既に質問項目を埋めた企業もあり、順次回答が返ってきてる状況だという。
また今回の新しい質問項目については、現在既にライセンスを持っている登録業者やみなし業者に対しても提示。改めて自己点検を促している。