フランスのブリュノ・ルメール経済財務大臣は、ブロックチェーン技術がフランス政府の優先事項であるとの認識を示した。今月16、17日に開催されているパリブロックチェーンウィークサミットに先立ち、仏経済ビジネス誌のキャピタルのインタビューで15日に述べた。

ルメール大臣は、仏政府はブロックチェーン技術といった新たな分野に45億ユーロ(5700億円)を投資する計画があることを明らかにし、中国や米国の技術的優位性に対抗できる画期的改革を目指すとしている。

また今週初めに議会で可決された、「企業の成長・変革のための行動計画に関する法案(PACTE法)」について、「トークン発行者とデジタル資産サービスプロバイダーにとって前例のない魅力的な法的枠組み」だと述べ、ブロックチェーン規制の進歩であることを強調した。

2019年の仏政府のテーマとして、産業領域でのブロックチェーン実装、革新的ブロックチェーンプロジェクトへの資金提供、これらのプロジェクトに向けた法的および規制上の問題に関する支援に取り組んでいくという。

ルメール大臣はまた、より強固で透明な会計の枠組みを提供するフランスの仮想通貨への課税システムを提言。昨年12月の報道では、議会は2019年金融法案の改正案を仮想通貨ユーザーの課税負担を軽減するとして拒否したとされる。

ルメール大臣はICO市場の沈静化にも触れ、仮想通貨領域の健全性に向け必要なことで、「新しい資金調達方法がもたらす可能性や利益を損なうものではない」と前向きな見方を示した。ただ、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関しては、「こういったプロジェクトは短期的に成熟するものではない」とした。

ルメール大臣はまた、仮想通貨によるマネーロンダリングなどのリスクから金融システムを保護するには、エネルギー効率がよいメカニズムを発展させるためにもブロックチェーン技術が必要であると強調した。

翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。

編集 コインテレグラフ日本版
原文 French Minister of Finance: Blockchain Is a Government Priority