仮想通貨市場の拡大に伴い、フランスの証券市場監督当局である非政府機関の金融市場機構(AMF)が、デジタル資産関連の仲裁件数の急増を指摘している。AMFオンブズマンによれば、2022年にはデジタル資産サービスプロバイダ(DASP)の登録件数も増加したという。
AMFオンブズマンが発表した2022年度の年次報告書には、初めてデジタル資産に関するセクションが含まれている。報告書によれば、オンブズマンが受け取った全件数は2021年の1964件から2022年には1900件に減少したものの、デジタル資産に関連する仲裁依頼は44件から54件に増加し、受理された件数も6件から17件に増えた。同時に、登録済みのDASPの数も28社から59社に増加した。
AMFオンブズマンは、DASPがAMFに登録されているか、初期コインオファリングのようなケースでAMFが任意の承認を与えている場合にのみ、仲裁を行うことができる。フランスでは、第三者のための保管、法定通貨でのデジタル資産の購入や販売、デジタル資産同士の取引、デジタル資産取引プラットフォームの運営には、AMFの登録が必要だ。
また、「通常の業務で1つ以上のデジタル資産サービスを提供する」場合には、AMFのライセンスが必要だ。現在、ライセンスを取得しているDASPは存在しない。
""In 2022, the number of disputes relating to crypto-assets for which the AMF Ombudsman was requested to mediate tripled by comparison with 2021." https://t.co/Z1u9DPwUe3 pic.twitter.com/UD2vVFYWBB
— Joshua Rosenberg (@_jrosenberg) June 14, 2023
オンブズマンの報告書では、今年7月にDASPの登録要件が厳格化されることが言及されており、来年には欧州連合(EU)の暗号資産市場法(MiCA)によってこれが置き換えられる予定だ。
AMFオンブズマンは、「詐欺」には介入しないと明言している。詐欺は、仮想通貨に適用される規制や、派生商品の場合は金融商品市場指令(MiFID II)によって規制される可能性がある。報告書によれば、ステーキングの条件に関する誤解がオンブズマンが対処する一般的な問題だったという。