フランス当局は、パリで発生した2件の仮想通貨関係者の誘拐事件に関与したとされる12人以上を逮捕した。仏メディアのル・パリジャンが5月26日に報じた

逮捕者の中には未成年者も含まれており、容疑は誘拐、誘拐未遂、犯罪組織への関与などとされている。捜査当局は、SNSなどを通じて若者を勧誘し、組織的に仮想通貨関係者を標的にしていた可能性があると見て調べを進めている。

仮想通貨起業家の家族が標的に

5月13日に発生した事件では、仏仮想通貨取引所ペイミウムの共同創業者兼CEOのピエール・ノワザ氏の娘と孫が、白昼のパリ市内で3人組の男に誘拐されかけた。現場の映像によれば、ノワザ氏の娘が激しく抵抗したうえ、通行人が介入したことで犯行は未遂に終わった。

一方、5月はじめには別の仮想通貨起業家の父親が誘拐され、500万~700万ユーロの身代金が要求された事件も発生。この父親は最終的に救出されている。この事件については、既に実行犯など6人が逮捕されている。

レジャー共同創業者も被害に

仮想通貨業界を狙った事件はこれだけではない。今年初めには、仮想通貨ハードウェアウォレットのレジャーの共同創業者であるダヴィッド・バランド氏が自宅から誘拐され、犯人側は仮想通貨による身代金を要求。バランド氏はその後、フランス警察によって無事救出されている。

このような事件を受け、フランスのブリュノ・ルテルロー内務大臣は今月、仮想通貨業界の起業家およびその家族を対象とした警備体制の強化を発表した

サイファーパンクで自己保管型ウォレット企業カーサの共同創業者でもあるジェイムソン・ロップ氏がGitHub上に公開したリストによれば、今年に入ってからフランス国内では仮想通貨を狙った誘拐・身代金事件が6件発生しており、その半数がパリで起きているという。

こうした流れを受け、仮想通貨関連企業の経営者の間では、ボディーガードを雇うなどセキュリティ対策を強化する動きも出ている

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