民事再生手続きを進める仮想通貨取引所マウントゴックスの創設者マーク・カルプレス氏が25日、米イリノイ州の裁判官に対して同氏に対する訴訟を却下するように促した。ファイナンスフィードが報じた。
この訴訟は、マウントゴックスの元顧客であるグレゴリー・グリーン氏とアンソニー・モットー氏が、マウントゴックスの破産によって資産を失った責任をカルプレス氏に取らせるために起こした。両氏によると、マウントゴックスの銀行口座だったみずほ銀行に資金を預けたが、引き出すことができなかったという。カルプレス氏は、主要な被告人として過失や詐欺などの罪に問われた。
これに対してカルプレス氏側は、現在同氏は日本に住んでおりイリノイ州の裁判所が司法権を持っていないと主張。また同州でビシネスを意図的に行ったわけではないと述べ、締め切りギリギリでこの訴訟を却下するように申し立てた。
マウントゴックスは当初、破産手続きを進めていたが、6月22日に東京地裁により民事再生決定の判断が下されていた。これにより、ビットコインを現金化して債権者に分配するのではなく、そのまま分配する可能性が生まれた。4日に変更された民事再生計画案では、債権者への資金返還は、債権者の希望に沿って既存の仮想通貨取引所口座、あるいは新しく開設する口座へ、ビットコイン(BTC)およびビットコインキャッシュ(BCH)で行われることが記された。
マウントゴックスは、世界最大の仮想通貨取引所だった2014年2月にハッキング攻撃を受けて約85万ビットコインを消失させた。