「仮想通貨よりも法定通貨の絡む犯罪がはるかに多い」、元米連邦検事がMoney20/20で発言

 元アメリカ連邦検事のメアリー・ベス・ブキャナン氏は4日、アムステルダムで開催されたMoney20/20ヨーロッパ・カンファレンス内のパネルディスカッションで、新興の仮想通貨業界に漂う「否定的なイメージを払拭する必要がある」と提言した。

 ブキャナン氏は、実際には「はるかに多くの」犯罪が法定通貨によって実行されていることを強調した。また、これに続くコインテレグラフとのインタビューの中で、自らの意見を詳しく述べた。

「私は(アメリカ)司法省に21年間勤務していた。仮想通貨の絡む犯罪の方が数多くあるという意見はフェアではない。むしろ、私の意見はそれと全く異なる...(しかも、)仮想通貨は法定通貨(現金)と異なり、追跡することが可能だ」

 匿名性の獲得こそが仮想通貨を発明するうえでの極めて強い動機だったことを考えれば、仮想通貨に関わる取引が実は法定通貨よりも追跡しやすいという考えは直観に反しているように思えるかもしれない。

 だがブキャナン氏は、仮想通貨のブロックチェーン上での動き方を追跡するのに法執行機関が活用できる「市販の」ツールが数多く存在することを強調した。彼女は代表的な例として、EllipticChainalysisなどのブロックチェーン特有のインテリジェンス・システムを挙げた。

 それでもなお、ブキャナン氏は法執行機関には「やり残していることが大いにある」ことを認めつつ、この課題をインターネットの黎明期にたとえた。また、「後れをとらない」ため、規制当局は自らの業務を「アップデート」する必要があるとも提言した。20世紀前半に伝統的な証券のために導入された時代遅れの規制は、21世紀のイノベーションとはうまく適合しないことがはっきりしてきたためだとしている。

 ブキャナン氏は現在、大手仮想通貨取引所のクラーケンで法律顧問を務めており、過去4~5年間は仮想通貨業界と「深くかかわってきた」と話す。彼女は価値を世界中に移転するためのコスト効率の良い手段として、仮想通貨を「素晴らしいツール」として支持している。仮想通貨導入の将来について尋ねられると、ブキャナン氏は「すでに」仮想通貨が「世界中に」広まっていることを考慮し、銀行口座を持たない人々による利用の増加の可能性に言及した。 

 仮想通貨は違法な目的のために悪用されている。18年初めの論文では「全利用者のおよそ4人に1人...そして半分近いビットコイン取引...は違法行為と関係がある」と推定されている。

 しかし、より広い文脈の中でとらえると、このような調査結果もより軽微なものに映るだろう。ビットコインによる国際的な違法行為が年におよそ720憶ドルの規模で行われていると推定される一方、同じ論文では10年に1000憶ドルの法定通貨が米国単独でドラッグに使われたことを明らかにする数字を挙げている。

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