マンハッタンの検察当局は2日、ナサニエル・チャステイン氏(31)をインサイダー取引で起訴。逮捕した。チャステイン氏は、ノンファンジブルトークン(NFT)マーケットプレイス最大手オープンシーの元プロダクトマネジャー。

検察側は、チャステイン氏がオープンシーの匿名ホットウォレットと匿名アカウントを通じて45個のNFTを購入し、その直後に売却して利益を得たと指摘。オープンシーのマーケットプレイスのホームページで紹介される直前に購入し、その直後に利益を得るために売却した。プロダクト・マネージャーとして、どのNFTが取り上げられるかを選択する権限がチャステイン氏にあり、彼自身が作成したインサイダー情報に直接アクセスすることができたと見られる。

11の個別取引には、2021年9月14日に発売された「Spectrum of a Ramenfication Theory」というNFTがあり、これは翌朝に買値の4倍近くで売られていた。

連邦検事ダミアン・ウィリアムズ氏は、チャステイン氏を通信詐欺のほか、マネーロンダリングでも起訴した。どちらの罪状も最高で20年の実刑判決が下される。

オープンシーは2021年9月、チャステイン氏のインサイダー取引を知り、調査を開始。同氏が会社の方針に違反していることが明らかになった時点で退職を求めた。その後すぐにチャステイン氏は自主的に辞め、自身のプロジェクトであるOvalに取り組み始めた。

最近、コインベースCEOのブライアン・アームストロング氏は、同様のインサイダー取引疑惑に対応した。関与した人物は、コインベースの関係者か従業員であった可能性がある。アームストロング氏は従業員に対する懲戒処分や刑事告発は明らかにしていないが、コインベースは、近々上場プロセスを改定する予定であると述べた。