JPモルガン・チェースのブロックチェーンセンター・オブ・エクセレンス(BCOE)でプログラムを主導していたアンバー・バルデ氏が、自らの会社を立ち上げるために同社を退社した。ロイターがこのほど伝えた。

 ビジネスに影響力のある40歳以下の40人を選出するフォーチュン誌の「40アンダー40」では、バルデ氏はハッカーカンファレンスのレギュラーメンバーであり、ウォール街と一連の暗号技術の間にある溝を容易に橋渡しする人物であると説明している。

 バルデ氏はJPモルガンを退社する決断について、フォーチュンの記事をツイッターに投稿しているが、それ以上については、新しいベンチャー企業がどんなものになるか一切情報を提供していない。

 バルデ氏は、スマートコントラクト・プラットフォームのクォーラム(Quorum)のプロジェクト開発を主導してきた。また、同社の全体的なブロックチェーン技術戦略にも取り組んできた。

 JPモルガンの広報担当ジェシカ・フランシスコ氏は「アンバーは非常に才能があり、現在当社が持つ優秀なチームの構築を支援した。自らのベンチャーを開始したいという彼女の希望を尊重する。彼女の成功を心から願っている」と、ロイターに語った。

 フォーチュンが入手したJPモルガンのブロックチェーン・イニシャチブのリーダー、ウマル・ファルーク氏の手紙によれば、バルデ氏の存在は、「ブロックチェーンを開発する上で不可欠であり、彼女はBCOEと、現在当社が持つ優れたチームの構築の支援をした。彼女のリーダーシップと、CIBや会社への貢献に感謝する」。

 バルデ氏の後任は、BCOEのシニアプロダクトマネージャーであるクリスティン・モイ氏が務める。ファルーク氏はBCOEのスタッフへの手紙の中で「モイ氏はアンバーとBCOEとその立ち上げ当初から共に働いており、思考のリーダーである」と述べている。

「直近では、投資家向けサービスやキャピタルマーケット事業全体を通して、ブロックチェーン・プロダクト開発を率いている。私たちは、このような強力な後継者を迎え入れることをとても喜んでいる」

 もう一人の女性ブロックチェーンエキスパート、シェリ・カイザーマン氏は、投資ファンドとアドバイザリー事業を共同設立するため、最近ウォール街のウェドブッシュ・セキュリティーズを退社した。