仮想通貨関連の集団訴訟に携わっている、法律事務所セレンディ&ゲイのパートナーのジョーダン・ゴールドスタイン弁護士は、それが長期的に業界の利益になると主張している。

ゴールドスタイン氏は米司法省での実務経験を持ち、仮想通貨大手企業に対する12件の集団訴訟に協力している。この大手企業の中には、大手取引所のバイナンスやビットメックス、EOS開発企業ブロックワンなどが含まれている。ゴールドスタイン氏は、これまで原告が250億ドル以上を手にするのを支援してきた。

「業界に長期的には利益」

ゴールドスタイン氏は、彼の主な目標が未登録証券発行について誤解していた投資家を助けることになると、コインテレグラフに語った。彼はこれらの訴訟が長期的に業界に利益をもたらすと固く信じている。

「訴訟の費用を負担することにより、企業や発行体が事前に新しい状況を検討するようになり、これらの訴訟の後により慎重にルールに従うようになる。そして、それがブロックチェーンとこの業界全体にとって、1つのメリットになるだろう。投資家がこれらの証券を戦々恐々と売買することがなくなるのだから」

原告になることにはメリット

ゴールドスタイン氏は、これらの集団訴訟に原告として参加することには大きなメリットがあるとも述べている。

「訴訟の原告としての役割をは果たすことは、訴訟をコントロールし、戦略および和解に関する重要な決定に携わる機会を与えることになる。その役割に貢献することに関心があるならば、私たちは喜んで耳を傾ける」

ゴールドスタイン氏は、仮想通貨業界が金融業界と大きく異なるとは考えていない。金融業界では、業界での不正行為が2008年の金融危機を引きこした。どの業界であっても、悪意のあるプレイヤーがチェックされないままであれば、誰もがこのような振る舞いが許容されているとみなし始める。さらに優れたプレイヤーの力を奪い、競争力を低下させると主張している。

「これらの訴訟の有効な影響の1つは、競争相手を平準化し、すべてに適用される一連の規則があるようになることだ。デジタルトークンの発行者と、ルールを回避した者との間で、不利な点があってはならない」

これらの事件に詳しい情報筋は、仮想通貨を巡る法廷闘争が数年に及ぶ可能性があると、コインテレグラフに語っている。加えて、裁判所が原告に有利な判決を下し、損賠賠償金額を確定させたとしても、米国外の事業体からその支払いを確保することは難しいだろう。

ゴールドスタイン氏が主張するように集団訴訟が業界にプラスの影響を与えるかどうかはまだ判断できないが、イニシャル・コイン・オファリングが2017年のようにすぐに復活することはなさそうだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン