2020年10月20日、主要な仮想通貨(暗号資産)取引所でビットコイン(BTC)残高が2年ぶりに250万BTCを下回ったことがわかった。一般的に取引所でのビットコイン保有量の減少は、投資家の「ガチホ」傾向を表しており、強気の流れを示している。

仮想通貨レンディングを手がけるNexoの共同創業者であるアントニー・トレンチェフ氏はコインテレグラフに対し、こうした傾向はビットコインのみが、健全な金融政策を提供していることに世界が気づいたことが要因だとした。さらに取引所ではなく、資金を自己管理する人が増えているという。
「(人々はゆっくりと)我々がすでに知っていたことに気づきつつある。つまりそれはビットコインが現在唯一の健全な金融政策であり、過去10年間で最高のパフォーマンスを持つ資産から離れることはできないということだ」
また、分散型レンディングプラットフォームのセルシウスの共同創業者であるアレックス・マシンスキー氏は、取引所がユーザーに良い条件を提供しない限り、ビットコインの流出は続くだろうと指摘する。
「取引所が顧客に良い条件を提供することを拒否している限り、顧客は離れていき、セルシウスに流れるだろう。2年前のローンチから、我々の預金残高は27億ドルを超えた。取引所よりも顧客に尽くしていなければ、ここまで急成長することはなかっただろう」

グラスノードが示す各取引所のビットコイン預金残高チャートから、全ての取引所が等しく残高が減少している訳ではないことがわかる。ビットメックスやビットフィネックスの残高は半分以上減少している一方で、バイナンスは資金を蓄積し続けている。コインベースの残高も大きく変わっていない。

分散型金融(DeFi)の成長も取引所の残高減少に影響しているかもしれない。wBTCやrenBTCなどを通じて、イーサリアムにロックされているビットコインは現在13万BTCを超えている。数ヶ月前まではほとんど無視できるほどしかロックされていなかったが、急激に増加した。
また、グレイスケール のビットコイン投信(GBTC)の急激な成長や、マイクロストラテジー、スクエア社などの上場企業が自社の準備資産としてビットコインを購入している。

ユーザーが取引所からビットコインを引き出すことの一般化と、大手の取引所の信頼が失墜していることの両方が起こっている。
ビットメックスとフォビ、ビットフィネックスという大手取引所が残高が減少となっており、合計で39万BTC減少している。これは減少したBTC全体の8割を占めている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン