フロリダ州選出の共和党下院議員バイロン・ドナルズ氏は5日、米労働省が米国人の確定拠出年金制度「401(k)」に組み込める投資の種類を自由化する「金融自由法」を米国下院に提出した。この法案は、アラバマ州の上院議員トミー・タベルヴィル氏が5月5日に提出した上院法案とペアになっている。

金融自由法は、米労働省が3月10日付けで発表したコンプライアンス・レポートで、仮想通貨を401(k)に含めることに異議を唱えるものだ。コンプライアンス・レポートでは、同省の従業員給付保障局が「仮想通貨および関連商品への投資に関して、受益者の利益を保護するために適切な措置を取るべき」と曖昧な表現で警告している。

レポートについて、金融サービス大手のフィデリティ・インベストメントは、「不明瞭な表現で、401(k)プログラムを創設した法律の意図から逸脱した立場だ」異議を唱えた。フィデリティ・インベストメントは米労働省に対して、この報告書の意図を明確にするか、撤回するよう要求した。その2週間後、フィデリティは401(k)プランの保有者にビットコインを提供することを発表した。

タベルヴィル氏は、法案提出前にCNBCで、「仮想通貨の長期的な経済見通しを信じるかどうかにかかわらず、退職金を何に投資するかの選択は、政府のものではなく、当事者の判断であるべきだ」と話した。

ドナルズ氏は、自身の法案提出を発表したツイートで、労働省が投資家の確定拠出年金口座の選択を制限していると述べ、バイデン政権が労働省のレポートを通じて「ワシントンでの権力集中を図る遠大かつ大掛かりな試み」を実施していると非難した。