米国の物流大手フェデックス(FedEx)は、ブロックチェーン技術の有益性はまだ確信できないとし、マネタイズの土台となるものの構築には「チームワーク」が必要だとの見解を示した。米紙コマーシャル・アピールが5月20日に報じた。ブロックチェーンの活用に積極的に取り組んでいる同社だが、多くのステークホルダーが関わる物流業界での共通の取り組みが必要との意向をあらためて示した。
フェデックスのブロックチェーン戦略担当、デール・クリスティ氏はインタビューで、同社はブロックチェーンに関しては依然効果的であるとしながらも、出荷に関するデータベースをカバーするプロセスに関しては、現段階では従来型のプロセスの方が優位だと述べた。
一方でクリスティ氏は、ブロックチェーンを使ったシステムの構築を進めたい意向を示しており、「誰もがこの技術でマネタイズしたいと考えている。マネタイズの土台となるシステムの構築は業界全体で取り組む必要がある。その理由から、ブロックチェーンはチームスポーツだとみている」と発言。業界や政府などの協力を求めた。また以下のようにも述べた。
「いったん構築されれば、多くの人がそれをもとにビジネスモデルを独自に展開できるようになる。しかし現時点では、まだ構築されていない」
フェデックスのフレッド・スミス最高経営責任者(CEO)とロブ・カーター最高情報責任者(CIO)も同様の見解を示しており、将来的にはブロックチェーンがサプライチェーンにもたらすことを確信し、業界規模の基準の設定などを推奨しているが、大規模な進展はまだないとしている。
フェデックスは昨年9月、業界に関わらずブロックチェーン技術を向上させるために設立されたオープンソースプロジェクト、ハイパーレジャーに参加したと発表している。
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版