仮想通貨業界全体は9月の利下げに期待を寄せている一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は市場参加者が予想するほど利下げを行わない可能性がある。
「市場が年末までに100ベーシスポイントの利下げを織り込んでいることは潜在的なリスクであり、先走りしている可能性がある」と、コールドウェル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネージャーであるジャスティン・エリオット氏が8月14日のブルームバーグのインタビューで語った。
FRBの利下げ姿勢に疑問
エリオット氏はインフレが正しい方向に進んでいると考えているが、経済が「かなり良好」であり、小売売上高も「かなり強い」と述べ、経済が引き続き減速すると過信しないよう市場参加者に警告する。
エリオット氏はまた、FRBが利下げに向けて「アグレッシブな姿勢」であることを疑問視している。このFRBの利下げは、ビットコイン投資家の多くが現在の史上最高値73,679ドルを超えるために必要だと考えている。
金利はビットコインにとって重要な要素だ。高い利率は債券や定期預金のような安全な投資を投資家にとって魅力的にし、ビットコインから投資家を遠ざける可能性がある。しかし、低い利率は投資家がビットコインのようなリスクの高い資産を求める傾向を強める。
エリオット氏のコメントは、米労働統計局(BLS)が8月14日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)データを受けてのものだ、消費者物価の年率ベースの上昇率が2.9%と2021年以来の最も低い数値を示している。
この発表を受けて、ビットコイン(BTC)は約3%下落し、重要な6万ドルの水準を割り込み58,897ドルとなった。

仮想通貨業界は依然として期待
しかし、仮想通貨業界全体は依然として9月の利下げに期待を寄せている。ETCグループのリサーチ責任者であるアンドレ・ドラゴシュ氏は8月14日のX投稿で「米国のインフレは引き続き減速し、FRBの利下げの根拠をさらに強化するだろう」と書いている。
「CPIデータが発表され、予想よりもやや低いプラスとなった。FRBの利下げの可能性が近づいており、それにより量的緩和とビットコインの価格上昇の可能性が高まった」と、MNトレーディングの創設者であるマイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏が付け加えた。
一方、グレースケールのリサーチ責任者であるザック・パンドル氏は「利下げは米ドルの持続的な弱さとビットコインが史上最高値を再び試すための条件となる可能性が高い」とコインテレグラフに語った。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。