イェシーバ大学法学部のクリスティン・キム教授が、メタバースに対して課税を実施するべきだと主張している。

キム氏は「メタバースへの課税」と題した論文の中で、メタバースが参加者に対し、そのエコシステム内で完全に富を創造し、蓄積することを可能にしていると主張する。

キム氏によれば、この新たに出現した富の領域は、税法の下で規制されるべきだという。

「メタバース内の経済活動は、ヘイグ=サイモンズとグレンショー・グラスの所得の定義を満たすため、そこを排除してしまえばタックスヘイブンを作り出すだろう」と彼女は述べる。さらに論文は、メタバースが「すべてのデジタル活動を記録し、個々の富を追跡する」能力を持つため、政府は収入を追跡し、課税できると説明し、これは米国の税法における現状を揺るがす可能性があるとキム氏は指摘する。

さらにキム氏は、税金が実現される方法についての変更を推奨している。この文脈では、メタバースのユーザーは現在、課税対象となるイベント(例えば出金)に参加したりした場合にのみ課税される。キム氏の提案によれば、利益が得られた直後に課税が行われ、「未実現利益や収入」がメタバース内に留まっている場合でも含まれる。

より差し迫った問題は、このような場合の執行だろう。キム氏は、メタバースでの税法を執行するための2つの可能な方法を書いている。1つ目は、個々のプラットフォームがユーザーに代わって税金を源泉徴収することだ。2つ目は、キム氏があまり好ましくないと考える方法で、居住地課税と呼ばれ、プラットフォームが税金情報をユーザーに送り、ユーザーが自分で税金を申告し、支払うという方法だ

また論文では、メタバースへの課税が、通常はweb3やメタバース技術に興味を持たない議員にとっても、さらなる機会を提供すると主張している。

「メタバースは実験を行うための実験室になる可能性がある」とキム氏は書いており、「物理的な世界では決して起こり得ないシナリオをシミュレートする可能性がある」と付け加えている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン