フェイスブックは「決済とコマース戦略」を推進するための新しいプロダクトグループ「Facebook Financial(F2)」を立ち上げた。グループトップには仮想通貨(暗号資産)リブラの事業責任者であるデビット・マーカス氏が就く。ブルームバーグが10日に報じた。
F2では現在計画されているFacebook Payを含む決済プロジェクトを統括する。Facebook Payは2019年11月に開始し、FacebookやFacebook Messengerに導入された。順次インスタグラムやWhatsAppに拡大する方針を示している。
F2ではこれまでフェイスブックで計画されているリブラのウォレットであるNovi(旧Calibra)やWhatAppメッセンジャーでの支払い機能なども統括する。こうした専門部隊の立ち上げはフェイスブックアプリに決済を統合しようとしてきたこれまでの試みの延長であり、フェイスブックが決済業界に本腰を入れて取り組もうとする姿勢を示しているようだ。
マーカス氏のもとではUpworkの元CEOであるステファン・カスリエル氏が決済部門の副社長に就任する。
マーカス氏は今回のニュースについて、以下のようにコメントしている。
「我々はフェイスブック全体で多くのコマース関連事業に従事している。支払いに関するあらゆることについて、会社レベルで戦略を合理化すべきだと考えた」
フェイスブックはリブラなどの仮想通貨の取り組みを進めているが、F2の当面の目標はブラジルやインドといった新興国でのWhatsApp経由での支払いを導入することだという。
フェイスブックは規制当局からの不信感や、独占的な取り組みになるとの批判など、あらゆる面で決済部門の取り組みに反発を受けている。
WhatsAppといった仮想通貨とは異なる決済方法でさえ、7月にはブラジルの中央銀行が同国での競争環境を乱すことを危惧したことから、サービスが停止させられるなど厳しい状況が続いている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン