州企業であるブロックスクエア(Blocksquare.io)は、インターネットに接続している人なら誰でも世界中の資産の分割所有権を購入することができるようになる、商業不動産のトークン化を可能にするブロックチェーンに基づくプラグ・アンド・プレイ・システムを開発している。多様な投資プラットフォームをブロックスクエアのシステムに統合し、商業不動産のベンチャー向けにトークン化された資産を提供することが可能だ。

不動産業界に旋風

 英調査会社サヴィルズは、16年の世界中の不動産市場の価値は217兆ドルであり、そのうち約25%(54兆ドル)は商業不動産であったと推定した。

 過去10年間で、世界中の不動産市場は、2008~17年で176社から1274社に増えた技術系スタートアップ企業から大きな勢いを得ている。とりわけ技術系企業の躍進が、特に従来のベンチャーキャピタル(VC)以外の新たな部類の投資家のための機会を切り開いている。

 依然としてベンチャーキャピタルが主要な資金源であり続けているが、不動産投資信託(REIT)、不動産会社および投資家、未公開株式投資会社、個人富裕層を含むベンチャーキャピタル以外の投資家からの資金が、65.7%の複合年間成長率で成長したことをデロイトによる調査が明らかにした。

 現在、複数の不動産テックスタートアップ企業がブロックチェーンを採用している。プロピー、ブリックブロック、リアルなどがその例に挙げられる。だが、特にニッチな分野にはさらに多くの機会が待ち受けている。

機関投資家による独占の打破

 ブロックスクエアは、そのような機会の一つを利用している。同社は商業不動産における機関投資家による独占を打ち破り、個人小口投資家を含む他の多くの投資家に市場を開放することを狙っている。

 「歴史的に見て、不動産は法人株主のみが利用できる魅力的な投資の選択肢だったが、トークン化された不動産はその状況に変化をもたらすはずなので、参入する際の金銭的障壁が存在しないも同然となる」とブロックスクエアの共同創設者兼CEOであるデニス・ペトロヴシッチ氏はプレスリリースで述べている。

 ブロックスクエアのトークン化モデルを用いることで、仲介業者は不動産物件を1人だけではなく最大100人の購入者に販売することができ、より深い市場を創出し、流動性を向上するとペトロヴシッチ氏はシリコンアングルに対し述べた。

 同様にこのモデルは「使える資金を持つが全ての資金を同じ不動産に投じたくない消費者に、多数の不動産の分割所有権を得てリスクを最小限に抑える選択肢を与えている。」

所有権証明(プルーフオブタイトル)プロトコル

 ペトロヴシッチ氏は、自身のスタートアップ企業の価値提案をペイパルにより提供されている価値提案と比較することを好む。ペイパルがオンラインショップのシンプルな決済方法を生み出したのと同様に、ブロックスクエアは、既存の不動産業者に現地の商業不動産取引をネットユーザーの世界的ネットワークに提供するための解決策を提示している。

 ブロックスクエアの技術の中心にあるのは、ブロックチェーンに基づく所有権の証明プロトコルだ。このプロトコルは、プロップトークン(PropToken)と呼ばれるスマートコントラクトを根底にある不動産物件に結びつけることで、とりわけこの技術ならではのセキュリティ機能および他の機能をもたらすことが特徴となっている。

 プロップトークンのスマートコントラクトは、各不動産の規則を定め、所有権を安全に管理する。ブロックスクエアのシステムの下では、イーサリアム(ETH)と引き換えにプロップトークンが与えられ、生じた賃借料はブロックスクエアのBSTトークンで支払われる。プロップトークンはあらゆるERC20準拠ウォレットに保管することができ、所有者に資産の完全な管理権限を与えている。

 同技術の構築におけるブロックスクエアの設立と開発のパートナーは、オープンソースのJava技術を専門に扱うソフトウェア開発会社のメディアスだ。メディアスは、プロップトークンの標準的なスマートコントラクトの開発を支援してきた。

手数料に基づくビジネスモデル

 ブロックスクエアは、同社のシステムのプロトタイプは使用できる準備がほぼ整っており、18年の第2四半期に最初のトークン化された不動産取引を記録することを予想していると述べた。このプロトコルはあらゆるタイプの不動産に使用できるが、ブロックスクエアは、エアビーアンドビー(Airbnb)のようなプラットフォーム上の短期の賃貸物件提供者が最初の顧客となることを予想している。

 この市場は近年成長しており、現在は、賃貸の手間を減らす現地の不動産管理サービス、市場機会およびより幅広い層の人々の考えに共鳴するような市場における有利な立場を評価する手助けをする解析データ提供業者の確立したインフラを提供している。

 ルクセンブルクにあるアクセラレーターのテクノポートにより商業化前のアクセスを認められたブロックスクエアは、最初のパイロットプロジェクトを発表した。ブロックスクエアにより最初にトークン化される不動産は、スロベニアのリュブリャナの学生たちに複数の住宅を提供する集合住宅だ。人気のある住宅は毎年売り切れるため、ブロックスクエアトークン(BST)による受動的所得を求める人にとって最良の投資となっている。BST所有者はその不動産の最初の購入者となる機会を持つ。このプロジェクトは18年の第2四半期/第3四半期に実施される見込みだ。ルクセンブルクとスイスでの年内の実施に向けて、ブロックスクエアの2つのパイロットプロジェクトの準備が進められている。

 同社はシリーズAラウンドのトークン販売を4月18日に行う。ブロックスクエアは1トークンあたり0.50ドルに価格設定されたイーサリアムベースのBSTトークンを1000万トークン提供する。同社はこれまでに440万BSTのプリセールを行っており、最終的にトークンの価値を1億米ドル以上に浮上させることを目指している。

 ブロックスクエアのビジネスモデルは、プロップトークンから生じる、取引、ジェネレーション・イベント、および検証手数料という3つの収益によってなっているようだ。

Blocksquare

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