欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は来月12日、若者からの仮想通貨とブロックチェーンに関する質問への回答を映像で発表する予定だ。
ECBは今回16~35歳のEUに住む若者を対象に、ビットコインは従来の通貨の代わりとなりうるのか、仮想通貨のテクノロジーに対するECBの見解はどういったものかというような質問を今月23日まで受け付け、その中から選ばれたものにドラギ総裁が答える。仮想通貨に加え、「新たな世界経済危機の可能性」、「ヨーロッパの経済回復と若者の失業」という主要テーマについての質問をすることも可能だ。
この質疑応答セッションは、ECBが開催する第3回「若者との対話」イベントの一環で、銀行の政策立案者と様々な国の異なる経歴の学生や若者とのあいだで一連の対話が行われる予定だ。
セッションに先立ち、ビットコインが従来の通貨を代替しうるかという問題について、ECBはツイッターの投票機能を使って意見を募集。約24時間で1万5500以上の回答があった。
ECBの今回のセッションは興味深いものとなるだろう。VISAのビットコインデビットカードのサービスが欧州で停止されたり、EU全体で仮想通貨を規制する構えが見られる中で行われるからだ。カード停止の影響を受けた業者は別の発行会社と交渉していると伝えられているが、そのような業者や、従来の銀行から独立した仮想通貨/法定通貨銀行の設立を考えている人々への影響についても考える価値はあるだろう。
中央銀行と仮想通貨
デジタル通貨の領域における中央銀行の役割は常に議論の的となっているが、中央銀行が経済を確実に安定させるために存在しているという意見は依然として根強い。
ビットコインの不安定さは「不正行為の手段となりうる」として、米国の投資銀行ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEOなどが批判している。ルクセンブルクのピエール・グラメーニャ財務大臣もEUが近いうちに新たな仮想通貨規制を行う可能性を示唆した。