先週金曜日に発表された米7-9月期GDP確定値は2.1%、ミシガン大学消費者信頼感指数は99.3と先月より上昇し、個人支出、個人所得もともに前月より上昇するなど米経済指標は好調だった。これを受けて米国経済の景気後退懸念は遠のき、米株式市場は主要3指数揃って上昇した。その一方でドイツの GfK消費者信頼感指数は前回を下回る9.6に悪化し、ドイツ経済の厳しさを映しだした。

中国は豚肉や一部のハイテク部品の関税を引き下げると発表し、トランプ大統領は第一弾米中合意の署名がまもなくだと述べた。

米10年債利回りは1.908%と1.9%を超えてから上値が重く、これによりドル円も109.42円と109円台半ばから上昇しにくい状態が続いている。

上海総合指数が1.15%安など本日のアジア株式市場は概ね下落しており、欧州株式市場も上値が重くなる可能性がある。

米中合意、ブレグジットなどリスクオンに市場を向かわせる材料が少なくなり、これからは第2段階米中合意が進まないなどリスクオフを招く材料に注意が向かう可能性がある。

ドル円が上昇しにくい展開が予想されることからユーロ円もこの影響を受け、上値が重い展開がしばらく続くとみられる。

ユーロ円 テクニカル分析と相場見通し

今日のユーロ円予想レンジ
121.00~121.60

ユーロドルは一目均衡表の雲上限近辺にあり、日足では20日移動平均線(1.1084)が下値を支えている状態だ。現在1.0990~1.1180のボックスを形成しており、その中を推移している。一方、週足では下落チャネル上限にあり、これを上に抜ければ上昇トレンドに変化する可能性が高まるため、今後の展開を左右する微妙な状況に差し掛かっている。ユーロ円は200日移動平均線(121.23)と上向きの基準線(121.17)が下値を支えている状態。日足では9月3日を起点とする上昇チャネル内にあるが、週足では長い下降チャネルを推移している。ただし日足の上昇チャネルは勢いが弱くなってきており(3つ目の高値は上昇チャネル上限まで達していない)、上昇の勢いが持続するかは微妙な情勢となっている。20日移動平均線(120.96)まで下抜いてくるようだと、トレンド転換を意識させる可能性がある。本日は上値が重い展開が想定されるが、121円台で推移できるかに注目したい(クリスマス週であり、値動きが特殊になる可能性があるため注意も必要)。