英仮想通貨取引プラットフォーム「イートロ(eToro)」は、フェイスブックのリブラ・ブロックチェーン上で、独自の「eトークン(eToken)」技術でトークン化した資産(イートロ・トークナイズドアセット)を発行するテストが成功したと発表した。イートロ公式ブログの6月20日付け投稿、およびプレスリリースで明らかにした。

ブログおよび同社Githubページによると、イートロ傘下の仮想通貨取引所eToroXのブロックチェーン研究者が、リブラのスマートコントラクト用コンパイラ「Move IR(Move Intermediate Representation)」を使用することでeToken技術でトークン化した資産の初期バージョンをリブラブロックチェーン上に生成することに成功したという。

Move IRは、リブラ専用プログラミング言語Moveで記述されたスクリプトを、最終的にマルチプラットフォームで動作可能なデータ構造(バイトコード)に変換するソフトウェアだ。eTokenは、仮想通貨イーサリアム(ETH)のERC-20規格を利用したステーブルコイン実装に用いた技術という。研究者らは、リブラ発表後すぐにeToken技術を用いた実験を望んだそうだ。

「リブラの機能を調査し、Move IRを使用することで、リブラ・ブロックチェーンネットワーク上にイートロ・トークナイズドアセットの初期バージョンを実装することに成功した」

プレスリリースにおいて、eToroXのブロックチェーン研究者オムリ・ロス博士は、「当社は、Move IR設計におけるリブラチームの初期の取り組みを賞賛し、近い将来開発を行えることに興奮している」と述べ、次のように締めくくった。

「プログラミング言語ラスト(Rust)と、ホットスタッフ(HotStuff)アルゴリズムに関連する多くの優れた組み合わせは、急速に成熟しつつある業界にとって有望なものだ」

HotStuffは、リブラのコンセンサスアルゴリズム「LibraBFT」の元となったアルゴリズムだ。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版