ウォールストリートジャーナル、独自の仮想通貨発行を倫理的な問題から中止

ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、仮想通貨業界を理解するために、独自の仮想通貨の発行を試みたが、倫理的な理由から計画を破棄したという。10月3日に公開したミニドキュメンタリーで明らかにした。

ジャーナリストのSteven Russolillo氏は、WSJコインが、新興の仮想通貨経済に光を当てつつ、ジャーナリズム業界の実際のユースケースを提供するため、通貨を発行したと説明した。

香港で開催されたWSJの年次技術会議では、このコンセプトについて議論しているパネルに、約150のフィジカルなWSJコインの山が提示された。

パネルには、送金サービスのビットペサのCEOであるElizabeth Rossiello氏と元リップルCTOのステファン・トーマス氏も参加した。両者は、ジャーナリズムに基づくWSJコインはかなりの可能性を秘めていると感じていたようだ。

「お金を動かすコストを下げると、経済全体が変わる...オンラインでニュース記事を支払うにはどうしたらよいか?」トーマス氏は例として述べた。

Rossiello氏は、日本人開発者の武宮誠氏と協力して、ハイパーレッジャーのいろはのブロックチェーンをWSJコインの基盤として使用したと説明した。

発行したコインは、時価総額でトップ10の仮想通貨の平均供給枚数を参考にし84億枚で固定したという。

Russolillo氏が完全な発行を投資家に提案した時、WSJの倫理責任者で編集者のNeil Lipschitz氏が、このスキームの閉鎖を決定した。「倫理的な疑問」があるからだ。

「私たちは仮想通貨の世界に入ることはしない。私たちは銀行について報告するのと同じように報告し、説明するためにここにいるが、そこを出て銀行を始めるのではない」と述べ、以下のように続けた。

「我々は通貨をつくるつもりはない」

8月末、AP通信社はブロックチェーンベースのスタートアップCivilとコンテンツライセンス契約を結んでいる。知的財産権を保護し、倫理的なジャーナリズムをサポートしつつ、ブロックチェーン技術を使ってコンテンツの使用状況を追跡するためのものだ。