イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、レイヤー2(L2)による拡張に関する当初の構想について「もはや意味をなさない」との見解を示した。多くのL2がイーサリアムのセキュリティを十分に継承できておらず、今後の拡張はメインネットとネイティブロールアップから生じるべきだと主張している。
ブテリン氏は火曜日、Xへの投稿で「新たな道が必要だ」と述べ、多くのL2が分散化に失敗している一方で、イーサリアムのメインネット自体はガス上限の引き上げや、今後導入されるネイティブロールアップによって十分に拡張しつつあると指摘した。
「これら2つの事実は、それぞれ異なる理由から、L2とその役割に関する当初のビジョンが現在のイーサリアムには適合しないことを意味する。新しい道が必要だ」
L2はもともと、イーサリアムの拡張として高速かつ低コストで大半の取引を処理しつつ、イーサリアムのセキュリティを継承する仕組みとして構想されていた。
しかしブテリン氏によれば、L2はイーサリアムのスケーリングに参加し、イーサリアムのメインネットによって完全に保護されたブロックスペースを生み出す存在であるべきだったという。そこでは、すべての取引が有効で、検閲されず、最終的に確定する必要があるが、多くのL2はその基準に達していないと指摘した。
ブテリン氏は、アービトラム、オプティミズム、ベース、スタークネットなどを含むL2について、スケーラビリティ重視から転換し、プライバシー、アイデンティティ、金融、ソーシャルアプリ、AIといった特定のニッチ分野に注力すべきだと提案した。
イーサリアムの技術ロードマップは長年、ネットワーク拡張の主軸としてL2を位置づけてきたが、近年はメインネット拡張に焦点を当てるべきだとの声も開発者の間で強まっている。
その1人が、かつてイーサリアム系インフラ企業コンセンシスに所属していた研究者マックス・レスニック氏だ。レスニック氏はメインネット拡張を優先すべきだと訴えたものの十分な支持を得られず、現在はソラナのエコシステムに移っている。
また、ポッドキャスト「バンクレス」の共同司会者ライアン・ショーン・アダムズ氏もブテリン氏の見解を支持し、「これは転換点だ。ついに明言されたことをうれしく思う。強いETH、強いL1だ」と述べた。
ネイティブロールアップとガス上限引き上げがメインネット拡張の鍵に
ブテリン氏は、プリコンパイルされたネイティブロールアップがイーサリアムのメインネット拡張において重要な役割を果たすとの確信を強めていると述べた。特に、ゼロ知識イーサリアム仮想マシン(zkEVM)証明がベースレイヤーに統合された後、その効果は大きいという。
従来のロールアップは、オフチェーンで取引をまとめて実行し、そのデータをイーサリアムに投稿する形で構築されてきた。一方、ネイティブロールアップはイーサリアム自体に組み込まれ、トランザクション処理が直接イーサリアムのバリデータによって検証される点が特徴となる。
昨年12月中旬には、イーサリアム開発者の間で、2回目のブロブ関連パラメータのみのハードフォーク実装後に、ガス上限を6000万から8000万へ引き上げる案が議論された。このハードフォークは1月に実施済みだ。
ガス上限の引き上げにより、各ブロックに含められるトランザクション数やスマートコントラクトの処理量が直接的に増加し、全体のスループット向上と手数料低下につながる可能性がある。
昨年7月には、イーサリアム研究者のジャスティン・ドレイク氏が、すべての拡張機能が実装された段階で、イーサリアムのメインネットを1秒あたり1万トランザクション(TPS)に到達させる10年計画を発表した。これは現在観測されている15〜30TPSから大幅な増加となる。
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