重要なポイント:
フィデリティのレポートによると、イーサリアムのオンチェーン指標はETHが「割安」であることを示唆
BTC/ETHの時価総額比率は2020年の水準に
イーサリアムのレイヤー2アクティブアドレスが1360万で過去最高を記録
フィデリティ・デジタル・アセットの最新データによると、イーサリアム(ETH)は2025年第1四半期に大幅下落を記録したが、現在の水準は「買い場」となる可能性があるという。
3月にはデスクロスが発生し、50日間単純移動平均(SMA)が200日間SMAを21%下回るなど、弱気トレンドが顕著となっていた。ただし、フィデリティはこの短期的な痛みが中長期的にはETHに有利に働く可能性があると指摘している。
同社は、ETHの時価総額と実現価値を比較する「MVRV Zスコア」が3月9日に−0.18に下落し、「割安ゾーン」に入ったと報告。この水準は過去にも市場の底値と一致することが多く、「適正価値」との比較においてETHが「割安に見える」と述べている。
また、保有者の含み益と含み損のバランスを示す未実現損益(NUPL)も0まで下落しており、損益が相殺された「キャピチュレーション」の状態を示している。これは長期保有者にとって中立的な転換点とされている。
とはいえ、フィデリティは2022年の相場を例に挙げ、「ETHは実現価格を割り込んだ後もしばらく下落が続いた」とも指摘しており、さらなる調整リスクには注意が必要とした。
イーサリアムの時価総額をビットコインと比較した比率は現在0.13となっており、これは2020年半ばの水準と同等で、ここ30カ月間縮小トレンドが続いている。
レイヤー2の採用は過去最高を更新
一方、イーサリアムのエコシステム自体は活況を呈している。growthepie.xyzのデータによれば、イーサリアムのレイヤー2ネットワークと相互作用したユニークアドレス数は、過去最高の1360万に達した。1週間で74%の増加となっており、ネットワークのスケーラビリティと実利用の広がりを示している。
この動きの先頭に立っているのが、ユニスワップが展開する新たなレイヤー2プロトコル「ユニチェーン」で、週次アクティブアドレス数は582万を超え、Baseやアービトラムを上回った。レイヤー2全体のアクティブアドレスの急増により、イーサリアムのレイヤー2ドミナンスは過去7日間で58.74%上昇した。
仮想通貨トレーダーCRGは、ETH価格が2024年12月以来初めて、12時間足の一目均衡表の雲を上抜けたと指摘した。価格が雲の上にある状態で、かつ雲が緑に転じた場合、これは上昇トレンドの示唆とされ、強気転換のシグナルと受け止められている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。