仮想通貨(暗号資産)トレーディング・ターミナルCryptowatchのデータによると、イーサ(ETH)価格は2年ぶりの高値を記録した。455ドルを突破したにもかかわらず、ETH先物の建玉は15億ドルという新記録となり、高値で安定している。

ETH-USD 4-hour chart

出典: TradingView.com ETH/USD 4時間足チャート

ETH先物に対する記録的な高い関心は、トレーダーが強気なままであり、今後数日にわたってさらなる利益がみられる可能性があることを示唆している。

ここ数か月、分散型金融(DeFi)セクターの爆発的な成長により、イーサリアムは勢いを増している。イーサ需要はガス(取引手数料)の急激な上昇につながり、これがイーサの需要をさらに増やした。

8月11日、仮想通貨分析を手掛けるサンティメント(Santiment)は、イーサ手数料がETHと米ドルの両方で史上最高に達したと報告した。ユーザーは手数料を支払うためにETHを購入する必要があるため、それが上昇の触媒として機能したはずだ。サンティメントのリサーチャーは次のように書いている

「火曜日、イーサリアムの手数料は米ドルとETHの両方でかつてない高値を記録した。この記録破りの数字がヒットしたため、時価総額第2位の暗号資産は13%上昇し、地合いも引き続き良好だ。トレーダーは手数料がより低くなることを望むことになるだろうが、(少なくとも短期的には)資産を介して取引する意欲への悪影響は最小限だろう」

イーサが過去2年間での最高値を更新した後、トレーダーはより強い上昇トレンドを予想している。「Satoshi Flipper」と呼ばれる著名トレーダーは、780ドルまではETHに強いレジスタンスはないと指摘している

「2年間にわたりETHはレンジ内で動いていたが、ついに780ドルまでハードなレジスタンスがない状態を実現した。上昇は文字通り始まったばかりだ」

「Byzantine General」と呼ばれる別のトレーダーは、イーサリアムの建玉はまだ大きい規模であると述べている。これはトレーダーがまだより大きな価格変動を予想してことではないかと、彼は指摘している

「ETHの建玉は依然として非常に大きい規模のままだ。つまり、それはまだ大きな動きがあるということか?」

Total ETH Options Open Interest

出典: Skew.com ETHオプションの建玉

通常、仮想通貨が大きな値動きを見せると、建玉は下がることになる。これは、大きな値動きがショートスクイーズやロングスクイーズにつながり、そして保ち合い期間へと続くためだ。

しかし、スキュー(Skew)のデータによると、ETHの場合、建玉は15億ドルを超えている。フォビ(Huobi)とOKExだけでも、現在7億6100万ドル相当のETH先物契約がオープンとなっている。

2年ぶりの高値の次は?

DeFi、機関投資家の採用、市場心理の全体的な改善など、様々な要因に支えられて、ETHは年初来で235%の急騰となっている。

Cryptowatchのチームは次のように述べている。

「イーサリアムは過去2年間の最高値444ドルまで急騰した。ETHは過去25日間で87%上昇し、3月の安値からは400%近く、年初からは235%上昇している」

中期的には、トレーダーはETHがより高いレジスタンスを試すことになるのを期待している。特に、イーサリアムブロックチェーンがETH2.0に移行することを控えており、これによって市場のセンチメントは刺激されているならばなおさらだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン