機関投資家向けステーキング企業アテスタントの幹部によれば、市場全体がイーサリアム（ETH）の真の価値を反映してないという。さらにウォール街の投資家を引きつけるための洗練されたメッセージングが必要だと主張している。

アテスタントの最高事業責任者スティーブ・ベリーマン氏と戦略顧問ティム・ロー氏は、米国のETFへの需要の低さやETHの価格動向が「低調」であるとの批判にもかかわらず、ETHに対して強気の姿勢を維持しているとコインテレグラフに語った。

彼らはマーケティングの改善、分散投資、トークノミクスなど、資産への新たな関心を刺激するいくつかの重要な展開に注目している。

ETHは「マインドシェア」を獲得せよ

ビットコイン（BTC）は現在、機関投資家にとってデジタル資産のマインドシェアを支配している。ビットコインは「デジタルゴールド」というシンプルな価値提案で、ウォール街の投資家に売り込むのは難しくなかったとロー氏は語る。

しかし、ロー氏はイーサリアムが洗練されたマーケティングとより統一された価値提案を通じて、このマインドシェアの一部を容易に獲得できると考えている。これにより、時間の経過とともに分散投資する機関投資家から自然に価値が蓄積されると見ている。

「イーサリアムにとっての最も簡単な触媒は分散投資だと思う。伝統的な金融では、ほぼすべての人がより分散されたポートフォリオを持ちたいと考えている」とロー氏は語った。「デジタル資産が伝統的な投資家にとって投資可能な資産クラスになりつつあることをわかっているので、分散投資すべきだというのは簡単なステップだ」と述べた。

しかし、分散投資が実現するためには、イーサリアムが非仮想通貨の投資家にとって理解しやすくなる必要がある。「アプリストアなのか？ブロックチェーンベースのインターネットなのか、それとも『デジタルオイル』なのか？」とロー氏は問いかけた。

「現時点では、イーサリアムは本当に興味を持っている人にしか興味を持たれない。多くの人がビットコインETFを購入しているのは、非常に良いパフォーマンスを示すデジタル資産に注目しているからだ」とロー氏は付け加えた。「しかし最終的には、ETHがより広く意識に浸透するような洗練されたメッセージングが見られるだろう」と述べた。

米国のイーサリアムETFは7月にローンチされた後、市場の期待に応えられていない。ETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は、ビットコインETFに比べて「小規模な」デビューになると予測していたが、その予測は的中した。

9つのイーサリアムETFはローンチ以来、5億6400万ドルの純流出を記録しており、9月10日には8営業日連続で純流入がなかった。

 Source: FarSide

ステーキングは大きな勝利になる

ベリーマン氏によれば、ステーキングは長期的な視点でイーサリアムの大きなセールスポイントの1つであり、イーサリアムETFを通じてETHを所有することで年間約4％の収益を得ることができる。

ブラックロック、フィデリティ、フランクリン・テンプルトンなどの複数のファンドマネージャーは、ETFにステーキングを含めるための規制承認を得ようとしたが、SECによって拒否された。

ベリーマン氏は、ステーキングの排除はETFにとって必要な犠牲だったが、将来的に導入されることが理想的なシナリオだと付け加えた。「ステーキングを導入するのは理にかなっている。イーサリアムを保有するなら、なぜそれをステーキングしないのか？」。

ステーキングが米国の証券法の下で規制される可能性に加え、ベリーマン氏は、ステーキングを提供しようとするETF発行者にとっての最大の課題の1つは、特に短期的な流動性の問題だと指摘する。「これらのETFでは、迅速に出入金できる必要があり、長いキューがある場合、時間がかかることがある」と述べた。ステーキングされたETHは引き出すのに数日かかることがあり、発行者が迅速に原資産の株式を償還する必要がある場合には問題となる。

イーサリアムはビットコインよりも「ハード」

ステーキングが選択肢にならないとしても、イーサリアム自体の発行スケジュールはETHに対するエクスポージャーを得る理由として十分だとロー氏は述べた。

多くの人は、2100万BTCの供給上限であるため、ビットコインをイーサリアムよりも「ハード」な資産と見なしているが、ロー氏は、イーサリアムは実際には希少性に魅了される投資家にとって優れた経済モデルを持っていると語った。

「ガス代としてETHを支払うと、それが流通から取り除かれる。ビットコインにはこれがない」とロー氏は述べた。「それはマイナーに売られるのではなく、破棄されて流通供給を減少させる」。

ビットコインのブロック報酬が4年ごとに半減することは長期的には持続可能性の問題を引き起こすとロー氏は述べ、イーサリアムの開発モデルはこれを回避することができると主張する。「純粋な数字の観点から言えば、毎年発行されるイーサリアムはビットコインよりも少ない」と言い、これが長期的に価値重視の投資家にとってはるかに魅力的な見通しであると述べた。

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