アルトコインの中で時価総額が最大であるイーサ(ETH)は、ビットコインなど他の仮想通貨が弱気トレンドになっているにも関わらず、22日に史上最高値を更新した。

ETH/USD 1-hour candle chart (Bitstamp). Source: TradingView

イーサ新記録

 

コインテレグラフ・マーケットとトレーディングビューによると、イーサ価格が最高値である2600ドルに達したことを示した。足元では2400ドル台まで下落している。

ビットコイン価格に対する割合でもイーサ価格は2018年8月以来の高値である0.047を記録した。

 

ETH/BTC 1-week candle chart (Bitstamp). Source: TradingView

アナリストや投資家は、すでに「アルトコインの季節」が始まっていることを認識し、イーサに対して強気の姿勢を見せている。

リアルビジョン社のラウル・パルCEOは、ツイッターで「ETH/BTCのチャートをじっと見ていると、巨大な丸みを帯びた底と、そのすぐ上に巨大なブレイクアウトの可能性が見えてくる」として、さらにイーサリアムが強気の上昇を見せるだろうと予測し、その理由を次のように説明した。

「DeFi、NFT、コミュニティトークン、あるいはメタバースの世界で何かの価格をつけるとき、デザイナーの時間なども含めて、基本的にすべてETHで計算される。ETHは急速にデジタル世界の通貨になりつつあり、BTCは担保とベースレイヤーとして使われる」

パル氏は最近のビットコインに対して強気となっているイーサについて、2020年3月の暴落以来、大差で高いパフォーマンスを見せていることを強調した。

3年ぶりにドミナンス50%割れ

 

既報のように、4月のアルトコインが全体的に強気であることは、ビットコインのドミナンス(仮想通貨市場全体におけるビットコイン時価総額の割合)の低下に現れており、今回のイーサ上昇で約3年ぶりに50%を下回った。

過去の経緯から「アルトコインの季節」が訪れると、急速にピークに達し、その後は冷却期間が続く傾向がある。

今回のイーサ上昇では、冷却期間とは異なるしっぺ返しが起きたようだ。それはトランザクションを送信するための手数料であるガス料金が急上昇し始めたことだ。

 

Ether gas fees chart. Source: Ethereum Gas Price Chart

市場全体については、プロトレーダーがイーサのデリバティブ市場から、構造的な弱さを指摘する声もある

一方で、イーサ以外のアルトコインを見ると、ライトコインや、チェインリンクなどが6.5%ほど上昇を見せるなど、活気を呈し始めている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン