イーサリアム財団はAIに特化した新たな研究チームの設立を発表した。検閲耐性を持つブロックチェーンの力と、現在最も注目される分野の一つである人工知能を融合させることを狙う。

財団の研究者ダヴィデ・クラピス氏は16日、新チームがイーサリアム上でのAI経済の発展と、開発者向けの分散型AIスタックの構築に注力すると述べた

クラピス氏はXで「イーサリアムはAIをより信頼できるものにし、AIはイーサリアムをより有用にする」と投稿。「より多くの知的エージェントが取引するほど、価値と評判のための中立的な基盤が必要になる。イーサリアムはその基盤となり、AIは中央集権的な少数プラットフォームへの依存から解放される」と強調した。

新設されたdAIチームは現在スタッフを募集しており、AI研究者とプロジェクトマネジャーを求めている。

Source: Davide Crapis

このチームは、クラピス氏、マルコ・デ・ロッシ氏、ジョーダン・エリス氏が共同で執筆した提案「ERC-8004」の初期作業を引き継ぐ。同提案はAIエージェント間のプロトコル(A2A)を信頼レイヤーへ拡張し、AIエージェントの発見と相互作用を可能にするものだ。

財団はクラピス氏が率いる新チームを通じ、イーサリアムを人間とAIが共存するエコシステムへ発展させる取り組みを支援する。

AIエージェントは、ブロックチェーンと人工知能を統合する上での焦点となっている。AIエージェントは意思決定を行い、最小限の人間の監督で稼働し、取引を実行し、開発者に代わって機能するプログラムである。スマートコントラクトのようなプログラム可能な機能を持つブロックチェーンは、こうしたプログラムの拠点となってきた。

AIは決済処理の管理を支援できる。これは、資産が当事者間で移転される取引の最終段階にあたる。ブロックチェーン分析企業クリプトクオントによれば、11日におけるイーサリアムの日次スマートコントラクト呼び出し件数は1,200万件に達し、プログラム可能な決済レイヤーとしての役割を裏付けた。

「ネットワーク活動は拡大モードにある」とクリプトクオントは指摘。「イーサリアムの総取引件数とアクティブアドレス数は過去最高を更新しており、DeFi、ステーブルコイン送金、トークン活動にわたる採用拡大を示している」という。

AIはブロックチェーンを越えて広がる

テック研究者によると、ブロックチェーン技術は分散化、不変性、ID認証などの機能を提供することで、AIの弱点を補強できるという。

複数のWeb3組織が両技術の融合に取り組んでいる。2024年にはMatchainが分散型AIブロックチェーンを立ち上げ、2025年2月にはKiteAIがアバランチのエコシステム内でAI駆動のブロックチェーンを発表した。

カミノ・ファイナンスで機関投資とRWAの成長を統括するアルンクマル・クリシュナクマル氏は、AIエージェントとブロックチェーン技術がデジタル経済を再定義する可能性があると述べている。

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