イーサリアム (ETH)のスケーラビリティ改善やコンセンサス形成問題の解決を目指すイーサリアム2.0の実施予定日が2020年1月3日に決まった。イーサリアム財団のユーチューブから13日に明らかになった。ビットコイン推進派として有名なブロックストリーム社のサムソン・モー氏は、ハードフォークに似ていると懐疑的な見方を示した。

2020年1月3日とは、ビットコインの最初のブロックが生成されたてから11年目の記念日。イーサリアム開発者は、あえてこの日を選んだ。

イーサリアム2.0では、プルーフオブステーク(PoS)やシャーディングなどが実装される。

PoSでは、コインの保有量(ステーク)の大小により取引ブロックの承認の割合を決める。高性能コンピューターを大量に保有するものが優位という中央集権化などPoWで課題になっており、PoSはこれを解決するために開発された。

シャーディングは、トランザクションなどの処理を「シャード・チェーン(Shard Chain)」という小さなノード間で分割して、ブロックチェーンの容量を増やすというスケーラビリティ機能だ。

イーサリアム2.0に対してモー氏は、一つのチェーンからもう一つへのチェーンへの移動であり、ハードフォークに似ている指摘した。

「みんなが古いイーサリアムを捨てて新しいチェーンに移動する方法を見つけなければならない(中略)もし移動しなければ、技術的には古いチェーンが生き続けることになるだろう」

ブロックストリーム社の同僚で同じくビットコイン強気派のアダム・バック氏は、以前コインテレグラフ日本版の取材に対してPoSは「機能しないし、機能したとしても望ましくない」という厳しい見方を示していた。

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