イーロン・マスク氏がソーシャルメディアプラットフォームX(旧ツイッター)の価値は昨年10月に買収した時の半分以下しかないと、内部のメモで明らかになった。

ブルームバーグは、内部メモと事情に詳しい関係者の話をもとに、最近社員に支払われた譲渡制限株式が1株45ドルで評価され、会社の価値を約190億ドルと評価していると報じた。これはマスク氏が2022年10月27日にツイッターを買収した時の440億ドルの半分以下だ。

マスク氏はプラットフォームを引き継いで以来、Xへの改名やコンテンツルールの大幅な変更、会社の従業員の約80%を解雇するなど、一連の物議を醸す行動を行ってきた。

Xのデイリーアクティブユーザー数はマスク氏の買収以降、約20%減少  Source: WSJ

マスク氏の大胆な変更と彼のプラットフォームでの発言のため、広告主がXを選択しなくなっている。ブルームバーグによれば、Xは広告収入の少なくとも半分を失ったと見られる。

一方で、収入の大幅な減少は、マスク氏の債務の返済が会社全体の懸念材料となっている。記事執筆時点で、Xは約130億ドルの総債務に対して約12億ドルの利息を支払う義務があるという。

マスク氏は有料ユーザーのサブスクにより依存したいと明言しているが、現時点でサブスクを支払っているのは、プラットフォームの総ユーザーベースの1%未満にとどまっている。これは年間収入で見ると1億2000万ドル未満に相当する。

一方で、マスク氏の在任期間には一部の人々が利益を得ている。マスク氏の下でプラットフォームに追加された人気のある機能の1つは、個々のクリエイターに対するエンゲージメントに対する収益分配支払いだ。

マスク氏は何度もXを「すべてのアプリ」にするという意志を明らかにしている。これはWeChatなど、アジアで人気のあるスーパーアプリに触発されたもので、ソーシャルメディアプラットフォームが金融サービスやビデオ通話、マッチングアプリなどのユースケースを含むように拡大することを見込んでいる。また仮想通貨コミュニティでは、将来的には何らかの形でXで仮想通貨が統合されるのを期待している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン