宇宙開発企業スペースXや電気自動車テスラを率いる著名起業家イーロン・マスク氏が20日、「サード・ロウ・テスラ・ポッドキャスト」に出演し、自身の仮想通貨への考えを動画で示した。これまでにビットコインの発言を取り上げられてきたマスク氏だが、今回は違法取引などへの懸念も強調した。
マスク氏は「仮想通貨はそれぞれ現金の代わりになる」とこれまでの主張を改めて話した。またサトシ・ナカモトのホワイトペーパーを初めて読んだ時の感想を話し「かなり賢い」と思ったとの印象を持つなど肯定的な態度を示す一方で、仮想通貨が世界の準備通貨になるという考えには否定的な考えだ。
「仮想通貨がプライマリーデータベースになるとは思わない」
さらに不法取引やマネーロンダリングに使われる恐れがあることへの懸念も示した。
「法律のバランスの範囲を外れた取引がある。(中略)多くの国に法律があるが、これは現金を想定する。違法取引には現金を使うが、これを逃れるために仮想通貨が登場している」
ダークウェブに関して具体的に言及しているのかと聞かれたマスク氏は「完全にダークウェブに使われるようになることはないだろう。なぜなら、最近では現金を使用することは難しくなっているからだ。場合や場所によっては現金は全く使えない。そのため違法、準合法、場合によっては合法のトランザクションに強制力が働く。合法と違法の両方が必要だ」と話した。
マスク氏はこれまでにも「仮想通貨は紙幣の地位を奪う」と発言。その際にビットコインについて以下のように述べている。
「ビットコインの構造は極めて素晴らしいと思うよ。テスラがリソースを使って仮想通貨で何かすることはないと思うが(中略)資本統制を迂回できるからね。仮想通貨は紙幣より価値移転手段として優れている。それは間違いないよ」
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