エルサルバドル中央準備銀行の発表によると、海外在住のエルサルバドル人は今年1月から5月の間にビットコインウォレットを使って5000万ドル以上の送金を行った。

エルサルバドル中央銀行のダグラス・ロドリゲス総裁は、地元テレビのニュース番組「Frente a Frente」で同国の経済見通しについて語った。

注目ポイントは、エルサルバドル政府が手掛けるデジタルウォレットサービス「Chivo」が今年1~5月までに処理した送金額が5200万ドルに達したことだ。

2021年9月、エルサルバドルは世界で初めてビットコイン(BTC)を法定通貨として採用した。これに伴い、BTCによる決済や送金を手掛ける公式ウォレット「Chivo」がローンチされた。このアプリは初期に問題も発生したが、ローンチから1カ月足らずで200万人以上のユーザーを集めた。その後このウォレットは今年2月にリニューアルされ、安定性やスケーラビリティが改善されている

Chivoは、BTCと米ドルによる手数料無料の送金・決済をユーザーに提供している。ビットコイン推進派のエルサルバドルのブケレ大統領はこのアプリによって、従来の送金・決済サービスプロバイダーを使っていた年間約4億円の手数料を市民が節約できると過去に主張している。

またこのアプリケーションは、ビットコインのレイヤー2決済プロトコルであるライトニングネットワークを利用し、低手数料のBTC取引を実現している。エルサルバドルでのビットコインとChivoの採用は、ライトニングネットワークの取引量の上昇に大きな影響を与えており、過去1年間で400%の増加が見られた