日欧の中央銀行の総裁が、仮想通貨に対して後ろ向きな発言をした。
欧州中銀行(ECB)のドラギ総裁は9日、仮想通貨やビットコインは通貨ではなく資産という見方を示した。同じ日に日銀の黒田総裁も仮想通貨(暗号資産)は通貨ではなく投機の対象だと発言していた。
仮想通貨について学生からの質問に答えたドラギ総裁は、次のように答えた。
「ユーロはユーロだ。今日も明日も1ヵ月後もいつでもユーロだ。そしてユーロの背後にあるのはECBだ。では、仮想通貨の背後にあるのは何だろうか?かなりリスクのある資産だ。ご存知の通り、価値は激しく揺れ動く」
その上で、仮想通貨は「現在のところマクロ視点で我々の経済に影響を与えるほど重大ではない」と付け加えた。
同じ日に日銀の黒田総裁は、仮想通貨は「法定通貨ではなく値動きが極めて激しいということもあり、支払い決済にはあまり使われていない。ほとんど投機の対象になっている」と発言していた。
ユーロが誕生したのは約20年前。仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルの創業者マイク・ノボグラッツ氏によると、「ウォール街の半分がユーロは終わる運命にある」と考えているそうだ。ノボグラッツ氏は、法定通貨への信用がなくなる時、資金の逃避先でビットコインの重要性が高まるとみている。