中国のEコマース巨大企業であるアリババを創業したジャック・マー(馬雲)氏は16日、天津で開かれた第2回世界情報カンファレンスでブ、ロックチェーン技術はバブルではないが、ビットコインはバブルだと発言した。

 マー氏は、長年にわたりブロックチェーンを研究してきたと述べ、「ビックデータの時代」において、政府や企業、個人を含むあらゆるレベルのデータプライバシーとセキュリティの問題にブロックチェーンが対処できることを強く信じていると語った。マー氏は、Eコマース企業にとってセキュリティこそが最重要課題だと強調した。アリババの売上高は18年度決算で399億ドル(約4.4兆円)で、取引件数は「数兆件」にのぼる。

 マー氏は、ブロックチェーンを「巨大な金鉱」とみなす投機家たちが、ブロックチェーン産業に注目していることを残念に思うと話す。マー氏は昨年12月、ビットコインが最高値を記録しているときにも、ビットコインに対して懸念を表明していた。CNBCに対して次のように語っている。

「私はビットコインについてまったく知らない。非常に困惑している。もしそれが本当にうまくいとしたら、世界の貿易と金融システムのルールは根本的に変わることになるだろう。私たちはその準備ができていないと思う。そのため、私はいまはアリペイに注力している。…私たちはブロックチェーンを研究するチームがあるが、ビットコインは私が追い求めるものではない。ビットコインは気にしていない」

 ブルームバーグによれば、マー氏は昨年、総資産418億ドル(約4.6兆円)を有するアジアで第1位の資産家だ。アリババのアリペイは、圧倒的な人気を誇るモバイル決済アプリであり、ユーザー数は4億5000万人にのぼると報じられている

 16年夏には、アリペイを運営するアント・フィナンシャルは、中国のチャリティ業界との仕事においてアカウンタビリティを向上さえるためにブロックチェーンを導入している。翌年にはブロックチェーン技術の専門家を募集した。

 しかし、マー氏の考えに沿って、アリババグループは仮想通貨分野に参加するには至っていない。アリババ・クラウドは最近、同社が新しく発表した「P2Pノード」ネットワークが仮想通貨のマイニングプラットフォームであるという噂を否定した。4月には、アリババのEC取引サイト「淘宝網(タオバオ)」で、すべてのICO関連広告を禁止している。