ドバイの警察は25日、同アル・ミュラカバット地区で、ビットコインの取引を装い、700万UAEディルハム(約2億円)を奪ったとして、10人を逮捕した。ガルフ・ニュースが29日に伝えた。
犯罪捜査局(CID)のアデル・アル・ジョーカー中佐は同メディアに対し、以下のように語っている。
「被害者の兄弟がビットコインを買うために市場をあちこち探し回っていた。強盗団は、ビットコインを売ると言って誘い出してきた」
報道によれば、被害者は2人の兄弟。取引のために空き事務所でメンバーと会う約束をしていたが、そこで襲撃され、銃を突きつけられて金を奪われた。6人のメンバーが事務所内で兄弟を待ち伏せしており、3人が外で見張りに立っていた。中佐はさらに以下のように説明している。
「(強盗団は)兄弟2人を襲撃・脅迫してから手を縛り、事務所内に拘束した。そして金を持って逃走した」
事件の発生現場は、地元の商店主が所有する不動産で、強盗団は不動産購入に興味があるふりをしてだまし、鍵を入手した。警察にはこの武装強盗事件について同日夜に通報があり、主犯格である湾岸国籍の男を4時間以内に特定した。男は隣の首長国で逮捕され、犯行を自供した。警察はそれから48時間以内に隣接する4つの首長国で共犯者の居場所を特定し、10人全員を逮捕、盗難金を回収した。
犯罪捜査事務局(Criminal Investigation Affairs)の司令補佐であるハリール・エブラヒム・アル・マンスーリ少将によると、ドバイ警察のデータ分析センターでスマートプログラムと人工知能(AI)技術を利用し、強盗団をすみやかに追跡したという。現在10人のメンバー全員が検察に送られ、さらなる取り調べが行われている。
今月、コインテレグラフはシンガポールで起きたビットコインの対面取引での強盗事件を報じた。マレーシア人男性が2人組の偽のビットコイン仲介業者にホテルで襲われ、現金36万5000ドルを奪われた。1月には、ロシアのサンクト・ペテルブルク在住のブロガーが仮想通貨で得た資産についてネット上で自慢したところ、自宅の金庫から2400万ルーブル(約4190万円)の現金を奪われた。