仮想通貨をめぐるロシア政府の対応が一貫しておらず、ビットコインなど多数のアルトコインは乱気流にのまれているようだ。

 先月、ロシア政府は当局の規制下にある独自の仮想通貨を発行すると表明した。この「仮想ルーブル」は採掘はできないが、ロシア通貨のルーブルで購入できる。

 そのわずか3週間後、今度はニコライ・ニキフォロフ通信相がロシア国内でのビットコイン取引は合法ではないと繰り返し強調していた。

二転三転の声明

 このような紆余曲折にもかかわらず、ビットコインや仮想通貨への関心は高まっており、銀行や金融機関のトップは興味深い声明を相次いで発表している。

 露商業銀行最大手のロシア貯蓄銀行のヘルマン・グレフCEOは国民によるビットコインや仮想通貨の受け入れは無視できないと考えている。

グレフ氏は「仮想通貨はブロックチェーン技術から自然にうまれたものだ。禁止することも歓迎することもできる。国民は仮想通貨を触るなというのがトレンドだが、人々にとっては避けがたいことだ」と指摘する。

  実際、ロシアではビットコイン、イーサリウム、またその他アルトコインは公然と売買されている。

  グレフ氏によると政府の考えにも変化が見え始めているという。

「(仮想通貨に関して)政府の最初の反応は保護主義だった。今はこれを使って通貨発行の方法を変えようとしている。最終的に仮想通貨の居場所をみつけだすだろう」とグレフ氏は言う。

 独自の仮想通貨を発行するというロシア政府の方針は、国際的な機関がブロックチェーン技術の採用の利点を十分に理解してきていることを示している。

 ちなみにロシア政府は仮想ルーブル売却で得た利益には課税する方針だ。