フェイスブックが主導する仮想通貨リブラ。今年6月のホワイトぺーパー発表時には2020年に立ち上げという予定だったが、実際に来年に発行されるのかはまだ不透明な状況だ。

リブラ発行体であるリブラ協会の役員の1人、パトリック・エリス氏は、ロイターの取材に「現段階では、マーケットやプロダクト、あるいは実際にどのように展開するのか。具体的な戦略はない」と語った。

ロイターによれば、エリス氏は、2020年中にサービスが開始されるかとの質問については「イエス」と答えた。欧州、米国、東南アジアの当局との協議は前進しているという。ただ「規制当局との間で解決すべき問題がまだ多くあり、それを踏まえて戦略を修正する必要がある」と語り、戦略を決定するのはまだ時期尚早との考えを示した。

フェイスブックを巡っては、新たな問題が浮上している。

AFP通信の報道によれば、2億6700万人以上のフェイスブックの名前や電話番号を含んだ個人情報が流出した。オンライン上のハッカーフォーラムでダウンロードできるようになっていたという。

フェイスブックは「この問題について調査を行っている」が、この問題をきっかけに米議会を中心とするリブラ批判派からの懐疑論が強まる可能性がある。

一方、リブラ自体の開発は進んでいる状況だ。

リブラ協会が17日に発表したロードマップ第2弾によれば、メインネットのすべての主要機能の設計を完了している。今後のロードマップでは、メインネットの立ち上げに向けた準備を進めていくとしている。