韓国の検察当局は、崩壊したステーブルコインLUNAの運営元テラフォームラボの共同創業者ド・クォン氏とその関係者に関連する不正資産として41.45億ウォン(約3億1420万ドル)を特定した。特定された不正資産のうち、クォン氏に直接関連するとされる額は約914億ウォン(約6900万ドル、約91億円)だという。

ところがクォン氏の蓄積した莫大な資産は韓国当局の管轄下にはなく、回収もできない状態だ。これは、逮捕された元CEOが不正資金の大部分を海外の仮想通貨取引所を通じてビットコイン(BTC)に換金したためだと、韓国メディアKBSが報じている

米国証券取引委員会(SEC)によるテラ崩壊に関する初期調査では、クォン氏がテラ崩壊後に約1億ドル相当のビットコインをテラから着服したことが明らかになった。また、別の韓国メディアの報道によると、クォン氏はLUNA崩壊の1か月前に8000万ドルを着服したとされている。

韓国当局は、バイナンスにクォン氏に関連する出金リクエストを停止するよう要請している。バイナンスはコインテレグラフに対し、検察当局の捜査に協力していることを明かした。

検察当局はテラフォームラボの幹部らに関連する資産を追跡し、テラの不正資金の一部を回収するために活動を続けている。

LUNA崩壊直前に約600億円のUSTを投げ売り

オンチェーンデータによると、テラUSD(UST)ステーブルコインのペッグ崩壊の3週間前に、ある法人がUSTを4億5000万ドル以上市場に投げ売りしていたことがわかっている。この投げ売りから4日後、USTは急落。この大量投げ売りの背後にいたのは、テラフォームラボそのものだった。

「ド・クォン容疑者側はUSTが「攻撃された」という物語を展開しているが、これは嘘だ。実際には、テラフォームラボ自身が短期間に大量のUSTを無責任に投げ売りし、Curveプールを弱体化させていた。これにより流動性が低下し、ペッグが大幅に弱まった」と海外ツイッターユーザーは語っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン