著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

プロフィール:暗号資産交換業者。DMM Bitcoinなら、豊富な取扱い暗号資産(仮想通貨)種類でお取引が可能です。厳重なセキュリティで、お客様が安心して暗号資産のお取引ができる環境を提供します。最短当日に口座開設可能。(暗号資産交換業 関東財務局長 第00010号、第一種金融商品取引業 関東財務局長(金商)第3189号、加入協会:一般社団法人日本暗号資産取引業協会)

ハッシュレートは緩やかに回復

BTCÐハッシュレート(Blockchain.comおよびEtherscanよりより作成)

上図は、BTC及びETHのハッシュレートを2021年初来から比較したチャートである。

ETHはブロック高12,965,000でハードフォーク「LONDON(ロンドン)」を予定している。ハードフォークの発生時期は8月5日頃になる見込みだ。
(2021/07/29 お知らせ「イーサリアム(ETH)の入出庫受付停止のお知らせ」参照)

今回のハードフォークで一際注目を集めているのは、「EIP-1559」手数料モデルの変更が加えられる点である。現行の手数料モデルである「第一価格(ファーストプライス)オークション」に代わり、「base fee(ベースフィー)」と「priority fee(プライオリティフィー)」の二つの手数料モデルが導入される(London Network Upgrade Specification)。

「EIP-1559」で一部のマイナーの反発を招いている点は、従来の手数料モデルでは、マイナー報酬として全てマイナーに支払われていたが、変更後の手数料では、「base fee(ベースフィー)」と「priority fee(プライオリティフィー)」の内、「priority fee(プライオリティフィー)」のみがマイナー報酬としてマイナーに支払われる点だ。そのため、ETHのマイニングをやめてしまうマイナーがいるのではないかと心配される声もある。

足元のマイナー動向は、5月から6月にかけて中国国内におけるマイニングへの規制強化を背景に、BTCのハッシュレートと同様にETHのハッシュレートは下落したが、7月に入り改善が見られ、特に手数料モデルの変更を含むハードフォークを控えているにも関わらずETHのハッシュレートは上昇傾向にある。

今回のハードフォーク「LONDON(ロンドン)」実施後に、どのような影響が及ぶか、注視する必要があるだろう。

ハッシュレートは価格を牽引するか?

上図は、ETH/JPY価格とETHハッシュレートを2021年初来から比較したチャートである。

ハッシュレートと価格の関連性は概ね相関して推移している。

ハッシュレートの上昇は、一部で価格の上昇を期待するマイナーの存在を示唆するものでもあり、ハッシュレートの上昇と価格の推移には、相関する部分もあることが認められる。

ETHハッシュレートは7月に入り、緩やかに上昇している一方で、ETH/JPY価格は保ち合いを形成しており、従来の相関するパターンから外れている。

価格が下落すれば、損益分岐点を割るマイナーは機器を止める可能性もあり、価格がハッシュレートに先行するのであれば、7月の価格保ち合いに対するハッシュレート上昇は腑に落ちない動きである。

これは、今回のハードフォーク「LONDON(ロンドン)」により、その後のハッシュレートが上昇傾向を維持するか、下落傾向に転換するか、市場参加者が見極めている動きとも考えられる。

続きはこちら

 

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。