著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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27.5万円(2,500ドル)達成も4日続落

ETH/JPY 日足Bid(DMM Bitcoinの取引ツールより作成)

3月末より史上最高値圏で強気推移していたETH/JPYは、4月1週目に足踏むも、再び上値を伸ばし、4/15には27万円台(2,500ドル)に乗せた。

その後は、米暗号資産取引所のNASDAQ上場(4/14)による材料消化を一因としたBTC/JPYの反落や、これにNYダウ30種指数の反落など、株式市場でのトレンド転換の始まりを連想させるような動きも重なったこともあり、一転、調整に転じている。また、ETH自体も2,500ドルの価格帯がテクニカル上の心理的節目として意識されていたことから、達成感による利益確定売りが重なったことも下落要因といえるかもしれない。

4/16以降において、ETH/JPYは3日目に長い下髭陰線をつけてから下げ幅を縮めているものの、終値ベースでは4日目も続落しており、本格的な弱気相場入りも警戒されつつある。

ETH/JPYの日足チャートを見るうえで特に注目しておきたいのは、75日移動平均線である

75日移動平均線は、昨年後半のETH/JPY上昇の転換点となったラインである。昨年10月にETH/JPYがチャート実体で上抜けてからは、下値のサポートとして意識され続け、以後、通算12回、今年に入ってからは4度、サポート付近で反発している。

この上方の価格帯を終値ベースで耐えることができるかどうかが、弱気相場入りの1つのサインとなりうるだろう。

このまま、ETH/JPYは続落してしまうのだろうか。出来高、フィボナッチの観点からも考察してみよう。

価格帯別出来高では20万円(1,850ドル)付近が注目

ETH/USD日足 価格帯別出来高(Coin Market Capより作成)

4/20現在、ETHの取引通貨・銘柄ペアのうち、46.8%はドルペッグのステーブルコインであるUSDTが、19.3%は法定通貨のUSDが占めている(CryptoCompare(https://www.cryptocompare.com/coins/etc/analysis/)4/20午後6:30に取得したデータより当社調べ)。

ETHの価格形成の過半数はUSD価格によって構成されているため、以降の本稿ではETH/USDについて考察する(円建て価格は 1ドル=108.20円と仮定)。

上図は、ETH/USDの出来高と価格の関係である。

まず、ETH/USD価格と出来高(下部に表示)の関係についてみてみよう。

出来高をみると一時的に急増するポイント(黄矢印)が存在する。これについて、出来高分析では、買い/売りのクライマックスとする見方がある。

その日の価格をみると、長い下髭をつけており、チャート分析では、売りが旺盛であった中買い方の抵抗が強かったことが読み解け、加熱した相場の一服を示唆するとする見方がある。

一方で、同じく出来高急増と下髭陰線の発生した2/23については、結果的には上昇に転じているものの、5日後の2/28には、再び下値を模索し、二番底を形成とする結果となっており、過信は禁物といえるだろう。

次に上図右部の棒グラフ「価格帯別出来高」を確認しよう。

これは、2/1以降の日足ベースの出来高をその価格帯ごとに集計したもので、出来高の多い部分は、市場参加者の注目ポイントとする見方がある。

上図では、1,850ドル(≒20万円)付近(白い〇で囲った箇所)から累積出来高が増加するため、下値を模索する展開になっても、この近辺の価格帯から、売買が厚くなり、過度な急変動は起こりにくくなるとも考えられる。

一方で、1,500ドル(≒16.2万円)付近から、再び薄くなるため、この付近では、下値模索の展開も想定される。それまでに下げ幅を縮めることができるかには要注目である。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。