著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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・BTC以外の暗号資産からBTCへ資金が流れる

上図1は、2020/11/21から2023/6/27までの、BTCドミナンス(黒)とBTC/JPY(青)の日足グラフである。BTCドミナンスは右縦軸の%、BTC/JPYは左縦軸の円である。

ドミナンスとは、各暗号資産の時価総額が市場全体に占める割合のことである。つまり、今回の場合、BTCの時価総額が何%暗号資産市場を占有しているのかを表している。

上図1を見ると、およそ2年ぶりにBTCドミナンスが50%以上になっており、400万円を超えたBTC/JPYの価格上昇とオーバーラップしている。

2023年6月初旬、米証券取引委員会(SEC)はBinanceとCoinbaseに対し、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ポリゴン(MATIC)などの多くのトークンが証券にあたるとして提訴した。上記から、取引所から上場廃止になる懸念等を踏まえて、資金がBTC(ビットコイン)に集まっていると考えることができる。

また、2023年6月23日に、レバレッジ型ビットコイン先物ETFがSECから初承認されるなど、ビットコインについて注目が集まっているという要素もある。

そして、BTCドミナンスの日足グラフをテクニカルな視点で見ると、48%付近に赤水平線を引くことができる。2021年5月からの2年間にわたってこの割合が意識され、48%を超えられない状況が続いてきた。

数年前と比較すると現在は様々な暗号資産が増え、暗号資産市場の中でも資産が分散しやすい状況であると考えると、現在のBTCドミナンスが48%のレジスタンスを上抜けて50%以上を推移していることの重大さがわかる。

これは、BTCドミナンスがファンダメンタルズを反映しているとした場合に、足元の「SECによるアルトコイン提訴と、BTCの先物ETF承認」の報道は、BTCドミナンスにとって直近2年間で類を見ない好地合いを作ったと評価できそうだ。

一方でBTCドミナンスがBTCの価格について全てを体現するわけでないことには注意が必要である。

約760万円の最高値を付けた2021年11月は、現在のドミナンスより10%以上低かった。つまり、ビットコインが上昇する条件に、必ずしもBTCドミナンスで高い割合を維持する必要があるわけではないと言えるだろう。

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