著者 DMM Bitcoin マーケットレポート
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・この一週間のBTCの値動き
BTC/JPY 日足 Bidチャート
上図は、6/13から現在までのBTC/JPYの日足チャートである。
10/13の米CPI(消費者物価指数)発表後に一時258万円台まで下落したBTC/JPYだが、翌日の10/14には292万円台まで上昇するボラティリティの高い動きを見せた。その後は落ち着いた動きに戻り、10/14以降は293万円から275万円台のレンジで推移している。
BTCは10月の米CPIやFOMC(連邦公開市場委員会)議事録公表など重要なイベントを通過後に明確なトレンドは出現することなく、方向感に乏しい動きが最近の傾向である。
・現在のマクロ経済環境
マクロ経済環境のトレンドとして①金融相場→②業績相場→③逆金融相場→④逆業績相場の4つに分かれる。
現在のマクロ経済環境のトレンドは、各国の政策金利の引き上げやコロナ禍において実施してきた量的緩和政策の停止・引き締め等、金融マーケット全体にネガティブな影響を及ぼしており、③逆金融相場にいると思われる。
逆金融相場の特徴として景気後退(リセッション)に陥り、マーケットだけでなく実態経済にもネガティブな影響を与えるサイクルである。
過去の景気後退時に米国10年金利と2年金利を差し引いたイールドカーブ(※1)は、マイナスの値になっており2022年では7月から現在において逆イールドの状態が継続している。
景気後退(リセッション)の結果として、今後の企業決算にも悪影響を及ぼすこととなる。
直近の企業決算として10月末には米大手IT企業の決算開示が控えており、業績が下方修正されることでマーケットから企業の業績悪化が意識されることとなれば、③逆金融相場から④逆業績相場(※2)への移行の契機となり、マクロ経済環境の大きなトレンド転換に繋がるかもしれない。
※1イールドカーブ(利回り曲線)・・・縦軸に最終利回り、横軸に債券の残存期間を取ったグラフ上に、(同一発行体の)債券の最終利回りと残存期間に対応する点をつないだ線のこと
※2逆業績相場・・・金融引き締めにより企業業績が悪化し、株価も下落する相場のこと
そうなればBTCにも明確なトレンドが発生することも考えられるだろう。
本稿では、今週に予定されているイベントを確認し、BTCのこれからの値動きについて考察する。