古参コインの復活？ジーキャッシュとダッシュ　プライバシー重視の仮想通貨が大きく反発　

プライバシー重視の仮想通貨ジーキャッシュ（ZEC）とダッシュ（DASH）が、先週金曜から土曜にかけて発生した仮想通貨市場暴落後、最も大きく反発した銘柄の1つとなっている。

木曜日時点で、ZECは10月9日の安値から66％超上昇し、246ドルに達した。年初来でも約350％上昇しており、そのうち230％は10月単月での上昇分である。

DASHも急落以降に65％以上反発し、木曜時点で50ドル近くまで上昇した。過去1か月のリターンは約150％に達している。

また、2021年にミンブルウィンブルと呼ばれるプライバシー機能を導入したライトコイン（LTC）も、ローカル安値から80％超上昇している。ただし、2025年通年では依然として約7.5％の下落となっており、他のプライバシーコインに比べて出遅れ感がある。

こうした価格急騰を受け、一部のトレーダーの間では「ダイナソーコイン（恐竜コイン）シーズン」到来との声も出ている。2017年以前に誕生し、長らく市場平均を下回ってきた古参コインが再び脚光を浴びている格好だ。

ナヴァル・ラヴィカント氏の投稿が引き金に

メッサーリのデータによると、プライバシーコイン全体の時価総額は10月1日以降で36.7％増加し、木曜日時点で70億ドルを超えた。

相場上昇のきっかけとなったのは、著名投資家ナヴァル・ラヴィカント氏によるジーキャッシュ支持発言だった。10月1日の投稿で同氏はジーキャッシュを「ビットコインに対する保険」と表現し、その直後にZEC価格は1日で60％以上急騰した。

その後、市場全体の暴落でレバレッジポジションが一掃され、アルトコイン市場は4月以来の「売られ過ぎ」水準に到達。割安感から一部では買い戻しの動きが広がった。

ジーキャッシュの急反発とラヴィカント氏の後押しは、トレーダーに「プライバシーコイン市場の反転シグナル」として受け止められ、典型的な反発相場を引き起こした。

一方、時価総額で最大のプライバシーコインであるモネロ（XMR）は同様の上昇に乗り遅れた。

バイナンスやOKX、欧州の主要取引所などから上場廃止・制限を受けており、その匿名性設計が流動性と取引機会を大きく損なっているためだ。

今回上昇している「恐竜コイン」の多くは、数年にわたる下降トレンドを上抜けし、長く待ち望まれていた転換局面を迎えている。これは、2024年11月にXRPが7年続いた保ち合いを上抜け、その後630％上昇した動きにも似ている。

ジーキャッシュとダッシュはいずれも、強気転換のシグナルとされる「下降ウェッジ」パターンを上抜けしており、さらなる上昇の可能性を示している。

ZECは今月、200〜220ドルの抵抗ゾーンを突破して、7年間続いた下落トレンドを終えた。今後数か月以内に490ドル付近までの上昇余地があるとみられる。

DASHもすでに独自のブレイクアウト局面に入り、2024年初以来となる50ドル台を回復した。

この水準を終値ベースで維持できれば、50カ月移動平均線（EMA、赤線）を基準にしたウェッジ上抜けが確認され、760ドル以上への上昇シナリオも視野に入る。ただし、EMAで反落した場合は上昇トレンドの確定が遅れる可能性もある。

LTCは2022年以降、「上昇トライアングル」型のチャートを形成しており、100〜150ドルの抵抗帯を繰り返し試している。この上限を明確に突破すれば、フィボナッチ1.0水準（約375ドル）までの完全回復も期待される。

こうしたチャート構造はいずれも「プライバシーコイン復権」という新たな市場テーマを裏付けており、現時点ではジーキャッシュとダッシュがその先頭を走っている

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