FRBパウエル議長の記者会見の後にビットコインの価格が上昇した。

仮想通貨に詳しいeToroのシニアアナリストであるマティ・グリーンスパン氏は20日、クライアント向けのメモの中で、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長による記者会見後のビットコインの動きを指摘した。

(出典:Mati Greenspan「FRBパウエル記者会見とビットコイン」)

紫の枠の中が記者会見が行われた時間を示しており、ナスダックが青線、ロウソク足がビットコインとなっている。確かにFRBパウエル記者会見が終わった2、3時間後にビットコインが上昇している。

金利据え置きを決めた声明文の発表後、定例の記者経験に望んだパウエル議長。予想外の低インフレや米中貿易戦争などによる景気への不確実性が高まれば利下げを辞さないと示唆したという解釈も出ている

パウエル記者会見を好感してビットコインの買いが入ったのか?グリーンスパン氏は「なぜかそう思わない」と述べたものの、以下の2つの可能性は考えられる。

まず、FRBのさらなる金融緩和路線を確認したことでビットコインに買いが入った可能性だ。100倍レバレッジが有名な仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは、FOMC後に「FRBが印刷すれば、ビットコインは裂ける(ように上昇する)」とツイートした。

ヘイズ氏は、FRBによる金融緩和路線への転換はビットコインに追い風と考えている。3月にはFRBによる「イージー・マネー」は、まずウーバーなどIPO(新規株式公開)市場に流れ、その次に仮想通貨が「その愛を感じるだろう」述べた。

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次にフェイスブックの仮想通貨プロジェクト「リブラ」に対するパウエル議長の発言だ。パウエル氏は「潜在的なリスク」などを指摘する一方、「潜在的な利益」や技術革新であることを認めた。ビットコイン懐疑派が多いと見られる中央銀行のトップが、フェイスブックのニュースを受けて仮想通貨を全否定しなかったことも好感された可能性もあるだろう。

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