ドイツの保険グループであるアリアンツとドイツ銀行は、ベルリンに本社を置く自動車販売サイトを運営するオート1と提携し、ブロックチェーン技術を使用した自動車向け融資を提供することになった。ドイツ版コインテレグラフが7日に伝えた。提携した3社は新会社「オート1フィンテック」を設立しており、3社合計で新会社の株式の50%以上を保有している。
この新しいベンチャー企業は保険商品や、オート1の車を購入する自動車ディーラーのためのローンの借り換えなどを提供する予定であると、Co-CEOのハカン・コック氏はブルームバーグとのインタビューで語った。オート1はソフトバンクグループの支援を受けている中古自動車のオンライン取引所であり、中古自動車を個人から購入し、それらをディーラーへと転売している。
ローンの支払いや借り換えの承認はブロックチェーン上に記録されることになる。新しいプロセスでは、ディーラーの資産が2週間に亘り拘束される可能性がある書類に基づいたプロセスを使用するのではなく、ディーラーが購入後すぐに借り換えができることが明示されている。オート1はこの新しいブロックチェーンプラットフォームが自社の商品の多様化や、顧客のロイヤリティを向上させる助けになることを期待している。コック氏は以下のように語った。
「弊社は資本を自由化し、その結果、弊社の顧客の流動性が高くなる。これはウィンウィンだ」
オート1はインターネット上における中古車の支配的なプラットフォームとなることを目指している。彼らは既にドイツでは活動中だが、コック氏によれば今年後半にはフランスとポーランドにも進出する予定だとのことである。今年に入ってソフトバンク・ビジョン・ファンドはオート1に対し4億6000万ユーロ(5億4000万ドル)の投資を行い、同社の価値をおよそ29億ユーロ(34億ドル)と見積もった。
世界中の他の自動車会社はブロックチェーン技術の活用を試験しており、その内容は単純な金融取引から自動運転サポートにまで及ぶ。メルセデス・ベンツを出している大手自動車会社であるダイムラーAGはパイロット・プロジェクトとして、環境に優しい運転に報酬を与えるためのブロックチェーンを基盤としたプログラムをローンチした。円滑かつ安全な運転を低速で行うなどの、環境に優しい運転を実行しているドライバーは、イベントのVIPチケットやその他の報酬と交換することができるモビコインを受け取ることになる。
3月、アメリカの大手自動車会社であるフォード・モータズは、交通の流れを管理するためにクリプト・トークンを取引することが含まれる、車両間の通信方式について特許を申請した。起こり得るやり取りの一例を挙げると、例えばあるドライバーが約束に遅れそうな時、次の10分間他の車両を追い越すための要請を、特定の数のトークンと引き換えに出すことができる。