巨大コンサルティンググループがついに昨今のテクノロジーにおける大きな変化に気付いたようだ。始めは経済から始まり、現在は別の分野にも広がっていったその変化から取り残されたくないのは道理だろう。David Schatzky氏とCraig Muraskin氏によってデロイト大学プレスに載せられた記事、「ビットコインを超えて―ブロックチェーンが業界を一変させにやってくる」で、主に既に知られることとなった事柄が繰り返し書かれている。
「もしブロックチェーンの変化のスピードに耐えられないであれば、どうにかこらえて耐える必要がある。そのテクノロジーは若く、絶えず目まぐるしく進化している。広範囲にわたる商業化はまだ数年先のことだろう。しかしながら、予期せぬ事態やチャンスを逃さないためには、戦略家、プランナー、そして様々な業界や分野において決断を下す人間が、注意を払い、ブロックチェーン技術の利用方法を検討し始めるべきだ」
筆者によれば、あまりブロックチェーンに詳しくない業界関係者たちも、テクノロジーや企業内のエコシステムにブロックチェーンを組み込むことを検討するかもしれないとのことだ。
アーンスト&ヤングもまた、ビットコインやPayPalやNutmegなどのインターネット上決済システムなどに深刻に危機感を感じている銀行へコンサルティングを行っているグループだ。「たとえ短い間のトレンドだとしても、銀行にとっては多大なる脅威です」と、EYフィンデック部門部長Imran Gulamhuseinwala氏は言う。
こういった有名コンサルト会社に勤めるコンサルタントたちでさえも銀行や他の金融機関、実施企業などのサポートをするためにビットコインの知識が必要とされてきているのだろうか?
「彼らはただ何か見逃してはいけないと、注目しているだけに過ぎません。本当に専門知識があるかどうかは疑わしいです」とBithollaの共同設立者であるAlireza Beikverdi氏はコインテレグラフに語ってくれた。
デロイトのテキストで確認できる”ビットコイン”という単語の数は、”ブロックチェーン”と比べると非常にまばらだ。しかしそれは銀行や悪い意味に捉えられる可能性のあるニュアンスの事柄を避けたいという政府の文脈に沿って書かれている。「ブロックチェーンについては正しく説明されているとはいえ、彼らがどれだけ避け事実を容認したがらなかったとしても、全てはビットコインが鍵を握っている、ということに変わりはありません」とBeikverdi氏は言う。
多くのコンサルティング会社や顧問たちが“日和見主義”的立ち位置を取っていることで、ビットコイン・アライアンス・オブ・カナダの会長、Manie Eager氏は、数年前に、ビットコイントレーダーが突然現れたと思えば瞬く間に至る所に出現し有名になってしまった当時のことを思い出したようだ。
「誰もが分散型の元帳技術の機会を逃さぬよう必死になっていますが、スキルは不足していますし、まだ新しい技術ですから専門知識も不足しています。まだ発展途上なので追いつこうと努力している状態です。ビジネスプロセスにおける大きな変革と統合が必要になってきます。誰もが”取り残されたくない”と躍起になっています。これさえあれば全て解決する、といったキラーアプリケーションはありませんが、おそらく”ソリューションチェーン”のようなものは出てくるでしょう。例えば、サイドチェーンやマルチチェーン、クロスチェーン、インターチェーンのようなものです。管理するのは難しいですが、現在こういったものもまだ成長過程の段階です」